五臓の変調①心の変調

神志

五臓には神魂魄意志の5つの神が存在します。5つを統括するのが心の神で、これを単独にさすときは、神志といいます。

血の流れが悪くなり胸痛や動悸を感じることも

心は、全身に血を循環させる役目を果たしています。心が変調すると、血の流れに異常が生じることになります。血が正常に循環しないと、からだのあちこちに、血行障害がおきます。血の流れが悪くなった部位では、皮膚の色から赤みが失われます。とくに、顔面には血脈が集中しているため、色の変化があらわれやすいとされます。顔がつやつやしていて、血色がよいのは、心の状態がよい証拠です。心が変調して、血行が不調になると、顔色が青白くなり、唇は青紫色になります。

また、手足が冷えたり、全身がいつも寒気を感じたりするようになります。血行障害を改善しようとして、心が拍動するため動悸を感じることが多いです。
血が不足して、心自身の栄養状態が悪くなると、少しでも血の量を増やそうと激しく拍動するので、激しい動悸を感じるようになります。また、心の中で血が停滞すると、心のあるあたりの胸が強く痛み、苦しくなります。

心に存在する神志に影響がでて、こころや意識が乱れる

心の変調はこころの状態に直結します。意識と精神をつかさどるのは5つの神だが、心にはもっとも上位の神志が存在するとされています。心が変調すると、神志が正常にはたらかなくなります。意識や知覚が異常になり、正しく考えたり、判断したり、記憶することができなくなります。いつもそわそわして落ち着かない、うわごとを言う、反応がにぶくなることもあります。ひどくなると、狂躁状態や昏睡状態に陥ることもあります。物忘れが多くなったり、物事を覚えられなくなります。
また、こころの活動のリズムがくずれると、休むべきときに神経が休めなくなるとされます。夜になっても寝付けず、ようやく眠っても、夢を多くみて、眠りが浅くなったり、目が覚めてしまいます。
心の変調は、心そのものの変調だけによるのではなく、心の中の血の流れが悪くなっておこることもあります。そのため、全身の血の流れを正すことによって、こころや思考の異常が改善することがあります。
心の状態を反映しやすいのは、汗と舌といわれます。大量に汗をかく人は心の機能低下が疑われます。また、味がよくわからない舌の味覚障害と、舌がもつれて言葉がうまくでてこない発語障害は、心の異常から生じているのかもしれません。
心は喜びの感情と深くかかわっているとされ、適度な喜びは、心や血の流れによい刺激を与えます。ただし、喜びすぎると、かえって心を病ませることもあります。

豆知識*心を包んでいる膜を心包と呼びます。「巨使の官」とよばれ、君主である心を守っています。心包は六腑の三焦に対応する臓です。

心の変調でおこる症状

血の流れが悪くなると、血行障害がおこり、顔色や唇の色が悪くなることも、また胸痛があり、動悸を感じるようになります。神志が乱れるため、こころの状態も悪くなるとされます。心が変調すると汗と舌に症状がでて、汗が増え、舌がもつれたり味がよくわからなくなることもあります。

豆知識*唇や爪、指先、顔の色が紫色になるのをチアノーゼといい、血液中の酸素が不足した状態です。動脈を流れる赤血球のヘモグロビンが酸素と結びついていない割合が増えるとチアノーゼになります。

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