五臓の変調②肺の変調

衛気

水穀の精微からできる気のことです。昼は体表面をおおっているが、夜は身体の奥に戻ります。汗腺を開閉したり、臓腑を温めるはたらきもあります。

宣発と粛降機能の不調で呼吸器の症状がでる

肺が変調すると、宣発と粛降という機能がうまくはたらかなくなるとされます。宣発とは、気や津液に、上に向かう、あるいは外側へ向かうという動きをつける機能です。

肺の変調は、邪気に対する抵抗力と、汗を出すはたらきに影響します。からだの表面は、外邪の侵入を防ぐ衛気という気におおわれているとされます。からだの内部Dえつくられた衛気は、肺の宣発機能によって、体表面にくまなく広がります。宣発機能がうまくはたらかないと、衛気を広げることができないので、外邪に対して無防備となってしまいます。衛気は、汗腺の開閉もコントロールしているとされます。肺の変調で衛気がうまく広がらないと、汗腺が閉じたままになり、汗がでなくなります。

一方、粛降は、宣発と反対に、下へ向かう、内側へ向かう動きをつけます。大気から清気を吸い込む(からだの中へ気をおろす)のは粛降のはたらきと考えられます。肺が変調して、粛降がうまくいかないと吸気が異常になるため、ぜんそくやせきの症状がでます。

宣発が不調になると、粛降に影響がでます。両方が正常にはたらかないと、呼吸に異常がおこると考えられます。息が浅い、呼吸回数が増える、息切れ、せきやぜんそくなどの症状がでます。また、気の動きは肝が調節するが、呼吸運動がそれを補助していると考えられます。そのため呼吸が異常になると、気が正常に循環しなくなり、血行不良になります。

水のめぐりの不調と刺激に弱い肺

肺は、宣発と粛降の機能によって、水分の循環を調節しているとされます。宣発機能がはたらかないと、汗がとまります。上部にある水分が停滞し、顔がむくみます。粛降機能がはたらかないと、下部の水分が停滞し、尿が減り、足にむくみがでると考えられます。風邪をひいて顔がむくむのは、肺の変調が原因のことが多いです。

肺と鼻は強くかかわっています。肺が変調すると、鼻水が増えたり、鼻がつまったり、嗅覚がおかしくなります。肺は、呼吸や皮膚を通じて、寒さや熱さの刺激が入ってきやすい臓といえます。肺が弱っていると、刺激に過敏になるため、ちょっとした気温の変化でも、すぐにくしゃみや鼻水がでて、風邪をひきやすくなっていることが多いです。肺は憂いの感情と強くかかわるとされ、強い悲しみや憂いは肺を傷つけます。すると気が弱くなり、元気がなくなります。

肺の変調でおこる症状

宣発の機能が不調になると、からだを守っている衛気を広げられなくなります。また、水分が上半身に滞ってむくむとされます。粛降の機能が不調になると、うまく呼吸できず、呼吸器系に症状がでます。また、下半身がむくむとされます。肺が変調すると、鼻に症状がでやすくなります。

肺は憂の感情と強く結びつくとされます。強い悲しみや憂いは肺を変調させます。

肺の変調は鼻にもあわられるといいます。くしゃみ、鼻水がでて、鼻がつまったりします。

宣発できないと上半身に水分がたまって顔がむくみ、粛降ができないと下半身に水分がたまって、足がむくみます。

肺は、寒さや熱さに非常に敏感です。弱っていると、すぐに風邪をひくようになります。

呼吸の異常で、咳がでたり、息切れ、呼吸が浅い、ぜんそくなどがでたりします。

豆知識*肺は「百脈を朝(あつ)める」ともいわれます。「朝」は集合の意味であり、全身の経脈が肺に集まってくるとされます。肺は、皮膚と強く結びついています。アレルギー性の鼻炎やぜんそくなどの呼吸器疾患があると、アトピー性皮膚炎にもなることがあるのは、東洋医学では肺の変調で説明されています。

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