他疾患に合併する胃潰瘍

他疾患に合併する胃潰瘍

急性の胃潰瘍や胃のびらんは、種々の疾患に合併しますが、治療薬によって引き起こされることも少なくありません。胃病変は、基礎疾患による全身の血行障害が胃自体の血行も障害するために発生するといわれています。そこで、可視総合光線療法によって、全身の血行を良好に保つことが、基礎疾患の治療のみならず胃病変発生の予防にもつながると考えられています。

他疾患にともなう胃潰瘍

重症の火傷や脳血管障害などと関連した胃潰瘍はよく知られています。このような関連を、専門的には「臓器相関」とよんでいます。つまり、このような疾患があると胃潰瘍を合併しやすいということです。ところで、上記のような疾患以外にも、胃潰瘍を合併する疾患が予想以上にたくさんあることが明らかになってきました。人口の高齢化にともなって、高齢者では、種々の疾患に罹かる率が高く、また複数の疾患に罹かる率も高くなります。さらにその治療に使用される薬剤も、種類、量ともに多くなる傾向があり、基礎疾患自体、あるいは薬剤の使用にともなって胃病変などを合併する率も当然多くなると思われます。近年、他疾患に合併する胃病変として、特に消化性潰瘍の発生が注目されています。

⑴脳血管障害にともなう胃潰瘍

脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血による胃病変の発生は、出血性病変では60%、梗塞性病変では40%といわれています。胃病変の発生には、自律神経の中枢である視床下部の障害が主な要因と考えられています。虚血性障害によって交感神経の機能が高まり、その結果胃粘膜の血液循環が減少して胃潰瘍が発生します。

⑵虚血性心疾患にともなう胃潰瘍

胃潰瘍は、心筋梗塞症に合併することが多く、心筋梗塞症による全身の血液循環異常が胃粘膜の微小血液循環にも影響を与え、胃粘膜の酸素不足をきたして胃潰瘍が発生します。

⑶呼吸器疾患にともなう胃潰瘍

肺気腫や気管支喘息などの疾患では、血液の酸素濃度が低下します。この低下は粘膜防御作用のあるプロスタグランジンという物質を減少させます。その結果胃粘膜の血流が低下して、胃潰瘍が発生します。

⑷高血圧にともなう胃潰瘍

血圧の高い状態では胃潰瘍の発生はまれですが、降圧剤によって血圧が下がると胃潰瘍の発生は多くなります。これには血圧が下がったことによる胃粘膜血流の減少が関連しています。高血圧症における降圧療法と胃潰瘍発生について、横浜市大病院の水野先生らのグループが興味がある研究を報告しています。

●上腹部症状を訴えて内視鏡検査で胃潰瘍と診断された患者と異常がなかった正常者を対象に血圧値をみると、胃潰瘍患者の血圧は正常者に比べ明らかに低値であった。胃潰瘍疾患の血圧低値傾向は生来の体質によるものと思われる。

●収縮期血圧(最高血圧)が170mmHg異常を示した例では胃潰瘍患者はなく、100mmHg以下を示した例では80%に胃潰瘍が発見された。つまり、収縮期血圧が低いほど胃潰瘍ができやすいことが認められた。

●降圧剤を服用している60歳代と70歳代の高齢者で、降圧の程度と胃潰瘍の有無の関係をみると、降圧の程度が大きい患者で胃潰瘍が認められ、降圧の程度が小さい患者では胃潰瘍は認められなかった。つまり降圧剤服用によって血圧が下がりすぎることが、胃潰瘍発生の誘因となることが判明した。

●高血圧予防として減塩療法が全国的に普及しているが、昭和60年度の国民栄養調査に基づく資料で、食塩摂取量と消化器系疾患有病率の関係を検討すると、食塩摂取量の減少にともなって消化器系疾患有病率が増加していることが判明した。さらに昭和50年から59年の10年間における検討でも、食塩摂取量が減少するにともなって胃・十二指腸潰瘍有病率は増加傾向を示している。

以上の研究から、水野先生らのグループは胃潰瘍予防の面から、高血圧患者の降圧療法では、血圧の下げすぎに注意を要すること、また、過剰な減塩指導は勧められず、厚生省栄養審議会が勧める塩分摂取目標値(1日10g以下)は再検討を要する、と提言しています。

⑸糖尿病にともなう胃潰瘍

糖尿病には種々の合併症があります。中でもよくみられる自律神経の障害は、粘液分泌の減少・胃運動機能障害・胃粘膜循環障害を引き起こして、胃潰瘍を発生させます。

⑹肝硬変にともなう胃潰瘍

肝機能障害と門脈圧亢進症により胃粘膜の血流が減少して、胃潰瘍が発生します。肝硬変の進行によって胃潰瘍の発生率はさらに高くなります。

⑺慢性腎不全にともなう胃潰瘍

腎機能の低下にともない、胃粘膜血流の低下・粘液産生の減少・胃運動機能障害によって胃潰瘍が発生します。慢性透析患者では、腹痛、出血をともなう胃・十二指腸の消化管粘膜病変が少なくありません。

⑻膠原病にともなう胃潰瘍

膠原病の治療に使われる鎮痛剤、副腎皮質ホルモンによる胃潰瘍の発生が多くみられます。また、膠原病は全身性の血管障害をともないますので、胃粘膜の微小血管の血液循環にも影響を与え、これが胃潰瘍の発生につながります。

⑼血液疾患にともなう胃潰瘍

膠原病と同様に、血液疾患の治療に使われる副腎皮質ホルモンによる胃潰瘍の発生が多くみられます。

他疾患に合併する胃潰瘍の光線治療

以上のような疾患にともなって急性胃粘膜病変(びらん、潰瘍)が発生しやすくなりますが、どの疾患の場合でも、その発生のメカニズムとして、胃潰瘍の防御因子の一つである粘膜血流の低下が関係しています。粘膜血流の低下は、基礎疾患による全身の血行障害が胃自体の血行に障害を及ぼすことと、その治療に使われる薬剤の両者によって発生するといわれています。したがって、できるかぎり薬剤を減らしながら基礎疾患に対する可視総合光線療法を確実に実行して、全身の血行を良好に保つことが、基礎疾患の治療のみならず、胃病変発生の予防にもつながると考えられます。胃潰瘍を起こす薬剤はいろいろありますが、最も多いのは、解熱・鎮痛・消炎剤、ついで、抗ガン剤、抗生物質、副腎皮質ホルモンの順です。さらに、鎮痛・解熱・消炎剤と副腎皮質ホルモンを併用することが多い慢性関節リウマチなどは、胃潰瘍、特に出血性潰瘍の発生頻度が予想以上に多いといわれています。可視総合光線療法は、血行改善によって、鎮痛剤や副腎皮質ホルモンの副作用を軽減する作用が期待できるので、これらの薬剤を長期に服用しなければならない人は、可視総合光線療法の併用がたいへん有効です。

●光線治療

♢治療用カーボン:一般的には1000ー3001番、4008ー5000番を用います。原因疾患が明らかな場合は、原因疾患に用いる治療用カーボンを用います。

♢光線照射部位:一般的には、両足裏部⑦、両膝部②、腰部⑥(以上集光器使用せず)、背正中部、肩胛骨間部(以上1号集光器使用)、左右下腹部(1号または2号集光器使用)を照射します。原因疾患治療のための部位にも照射する必要があります。当初、腹部(胃部)には、直接照射することは避けます。症状の軽快を見ながら腹部⑤への照射を行います。

♢光線照射時間:⑦②⑥背正中部、肩胛骨間部各5分間、左右下腹部各10分間照射します。

お問い合わせ・ご相談・ご予約は

TEL : 0120-396-491

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