問診③飲食、睡眠、排泄

五味

五行色体表のなかで、味にかかわる項目で、すっぱい、苦い、甘い、辛い、しおからいの5つの味と臓腑が対応します。

飲食と睡眠の症状ー飲食と嗜好、不眠と睡眠 

飲食の問診では、食欲はあるかないか、食べたり飲んだりする量、空腹感があっても食べられないか、口が渇いてネバネバしないか、のどが渇くか、口の中に異常な味覚がないかなどをたずねます。

食欲や食べる量が減っているのは、おもに脾と胃に問題があると考えます。食欲旺盛で、すぐに空腹を感じるのは胃のはたらきが強すぎます。よく食べるが、消化が悪く便がやわらかいのは、胃が強いけれども脾が弱っているとされます。

好きな味や好物も大事な情報です。からだは、不足しているものや、弱った臓腑にはたらきかける食べ物を自然に求めるようになるといわれます。よくあげられる例では、冷えの症状がある人だと温かいものやショウガなど、からだを温める効果がある食べ物を好むようになるといいます。また、肝が弱っているときはすっぱいものを好むようになります。これは五行色体表をみるとわかりやすいです。五臓の肝に対応する五味(5つの味)は酸。肝とすっぱい味は強い関連があるため、すっぱいものを補充すれば、連動して肝の調子もよくなります。飲食の問診では、胃、脾、肝、腎などの機能に異常がないかを判断できます。不眠には、寝つきが悪い、すぐに目が覚める、眠った満足感がないなどの症状があります。反対に、いつでも眠いのは嗜睡といいます。頭がぼんやりして寝込んでしまうものと、目を閉じると眠ってしまうが、起こされるとすぐに起きるものがあります。

排泄の症状ー大便、小便、経血

排泄では大小便のようす、回数、量、排泄時の痛みや違和感をたずねます。便がかたく、数日間お通じがない便秘は、大腸のはたらきが弱っています。下痢がひどく、液状の便が何度もでる場合は、小腸が正常にはたらかず、水分が大腸にたまっているととらえます。便がはじめはかたく、あとがやわらかいと、脾と胃が弱っています。かたいときとやわらかいときがあるものは肝に疾病があると考えます。排尿の問題は、肺、脾、腎の気化作用の障害で、水分の代謝がうまくいっていないとされます。尿の量の多少、回数、色が濃いか薄いか、のどの渇きをともなうかなどが診断のポイントになります。女性へは、月経やおりものについても問診します。月経の前にイライラしたり、月経中に痛みがあるか、おりものの色や性状を聞きます。経血の量や色からは気と血の状態を診断しやすいです。

食欲と味覚

東洋医学では、食べる量や食べ方、水分の取り方、好む味や好物から、臓腑の状態を知ることができると考えます。

■食欲

食欲がない・・・顔色が黄色、疲れがある。やせているときは、脾と胃が弱っていると考えられます。

食欲旺盛・・・食べてもすぐに空腹感があるのは、胃に熱があり、消化作用が過度になるから。糖尿病のことも。

空腹感はあるが食べられない・・・胃の陰液が不足し、熱がこもっていると考えられる。

よく食べるが消化が悪い・・・胃は強いが脾が弱いため、消化不良になり軟便が出ます。

■のどの渇き方

のどが渇き冷たい水分を好む・・・熱がこもって津液が損傷しているとされます。

のどが渇くが温かい水分を少しだけ飲む・・・津液が停滞し、水分が上にまわらない。

のどが渇くが少ししか飲めない・・・熱が血に入っている。急性の熱病のことが多いです。

のどが渇くが口をすすぐだけで飲めない・・・血が停滞して瘀血が多いと考えられます。

■食べ物の好み

ショウガを好むのは、冷え性のことが多いです。からだを温める食物を好みます。

梅干しやレモンを好むのは、肝が弱っていることが多いです。

五臓 五腑 五味 五穀 五畜 五菜 五果
ニラ スモモ
小腸 キビ ラッキョウ アンズ
フユアオイ ナツメ
大腸 ネギ
膀胱 しおからい 大豆の葉

豆知識*腹痛や便意があるが排便できない状態を、しぶり腹、裏急後重(りきゅうこうじゅう)といいます。大腸や直腸に病変があり、少量の内容物で便意があります。赤痢など感染性腸炎などでおこります。裏急後重はもともと東洋医学の用語です。便がでる前に腹痛があり、便意を我慢できない場合を裏急、便意が強いが排便できず、肛門が落ちるような感覚があるものを後重といいます。

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