慢性糸球体腎炎

慢性糸球体腎炎

慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)は、腎臓の糸球体が慢性の炎症を起こし、その経過が数年から数十年に及ぶものをいいます。この病気は、しだいに腎臓の働きを低下させ、最後には尿毒症の状態となる不治の病気といわれてきました。しかし、腎性検法(腎臓の一部を摂取して、その組織片を顕微鏡で調べる)が広く普及するにしたがって、この病気の病態が詳しくわかってきました。その結果、一部では、経過中に臨床的に治ってしまうもの、進行が非常にゆっくりで経過が長いもの(進行しない腎炎)、比較的短い年月で腎不全になるもの、そして長い経過で徐々に進行し、最後は尿毒症になるものなど、いろいろな経過を示すものがあることが明らかになってきました。

慢性糸球体腎炎の病因

慢性糸球体腎炎とは、急性糸球体腎炎が治りきらず、1年以上尿の異常所見(たんぱく尿、血尿)、または高血圧が続き、慢性の経過をとるものや明らかな急性腎炎症状がなく、人間ドックや検診で偶然に尿の異常が発見され、異常が1年以上続くものをいいます。病因についてはいろいろ考えられていますが、主なものはアレルギー反応であるとされています。溶血性連鎖球菌に対するアレルギー反応が、まず第一にあげられます。この菌の感染が起こるとまず感染による症状がみられます。例えば、扁桃炎ではのどの痛みや発熱です。これらは後に軽快してきますが、しばらくすると、体内に入った溶血性連鎖球菌の生成物に対する抗体が血液中にできます。そして抗原抗体反応が起こり、抗原と抗体がくっついた抗原抗体複合物ができます。これが血液中を流れる間に腎臓に沈着し、その結果、種々の反応が起こり腎炎が発症します。急性腎炎ではこのアレルギーが一過性に起こりますが、一部では慢性化するものや初めから潜在性で徐々に発症し、気づいたときにはすでに慢性糸球体腎炎になっている場合があります。次に、このアレルギー反応により糸球体に炎症が起こると、腎臓機能が障害されてきます。腎臓内の血流が悪くなったり、高血圧が生じ、ますます障害が強くなると、腎炎をさらに悪化させる結果となります。

慢性糸球体腎炎の症状

慢性糸球体腎炎の症状や経過は一様ではありません。いつかの症状が混在してみられます。一般的にはたんぱく尿、血尿、浮腫、高血圧などが多くみられ、その程度にも違いがあります。そのほかに、全身倦怠感、足の冷え、体力の低下した場合では、動悸、不眠などがみられることがあります。

⑴腎炎型糸球体腎炎

この腎炎は、最も一般的な糸球体腎炎で、血尿やたんぱく尿がみられ、尿中の赤血球は少量のものから大量のものまでいろいろありますが、たんぱく尿はそれほど多くありません。血圧はだいたい正常です。

⑵ネフローゼ型糸球体腎炎

この腎炎は、尿中に大量のたんぱくが出てしまい、血液中のたんぱくが減少し、浮腫が出やすくなります。1日の尿たんぱくは3g以上で、多いときは30g以上出る場合もあります。浮腫は顔面、手背(手の甲側)によくみられ、強いと全身浮腫の状態になります。

⑶高血圧型糸球体腎炎

高血圧が主な症状の腎炎で、たんぱく尿、血尿は比較的軽度のことが多いようです。この型の腎炎は、血管の障害が強くみられ、進行性が強く、種々の臓器に障害を起こします。

以上のように、この病気はいろいろな症状や経過を示しますが、進行するものでは、しだいに腎臓機能が低下し、腎臓が萎縮し、慢性腎不全の状態になってしまいます。

慢性糸球体腎炎の光線治療

一口に慢性腎炎といっても、その成因、組織型に違いがあり、腎臓の障害の程度にも違いがあります。したがって、その経過もさまざまですが、種々の合併症を可視総合光線療法で予防、治療すれば、経過は大幅に改善され、一部では臨床的に治癒することもみられます。

さらに、合併症の予防のためには日常生活での注意も大切です。重労働や過激なスポーツは控え、肉体的な過労を避けるようにします。食事は腎機能に応じて、たんぱく質、塩分の制限が必要になります。

●光線治療

♢治療用カーボン:一般的には3002ー5000番、1000ー4002番を用います。ただし、腎炎が活動性で検査結果が変動するようなとき、あるいは腎炎が急に悪くなったときは、3001ー4008番、1000ー3002番、4006ー4007番がよい場合もあります。なお、扁桃肥大の症状があるときは、左右咽喉部④の治療は3000ー5000番、または3001ー4008番を用いるようにします。

♢光線照射部位:治療初期は両足裏部⑦(集光器使用せず)を10〜20分間、両足首部①、両膝部②(以上集光器使用せず)各5分間、左右咽喉部④(2号集光器使用)5分間の照射を行います。1ヶ月後から腹部⑤、腰部⑥(以上集光器使用せず)各5分間、あるいは左右腎臓部(2号集光器使用)各5分間を追加します。浮腫、高血圧があるときは、⑦①②の治療は照射時間を長めにします。

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