扁桃炎

扁桃炎

風邪をひくと扁桃が腫れることが多くみられます。そのため、扁桃は風邪の源のように考えられてきましたが、免疫学の進歩により、扁桃が一つの免疫器官であり、生体防御において重要な器官であることがわかってきました。扁桃は、外界と接する生体の最前線に位置し、進入してくる微生物や抗原物質に対して、生体を防御する役割を果たしています。常に外敵の侵襲を受けているため、炎症を起こしやすい器官です。

扁桃の生体防御機能

扁桃は、一対の口蓋扁桃、咽頭扁桃、一対の耳管扁桃、舌扁桃などによって構成されています。これらは、咽頭腔を輪のように取り囲んでいるので、ワルダイエル咽頭輪と呼ばれています。中でも口蓋扁桃が最も大きく、また臨床的にも重要なため、一般に扁桃といえば、多くの場合、口蓋扁桃をさします。扁桃の表面、特に口蓋扁桃、咽頭扁桃、舌扁桃には、数多くのひだがあり、切れ込みがつくられています。

口蓋扁桃のひだは陰窩と呼ばれています。この中には普段からいろいろな細菌が棲んでおり、軽い炎症を通じて扁桃内部のリンパ組織との間に免疫作用を営んでいます。ところが、気温の変化、ほこり、ガスなどの刺激があったり、風邪や過労、ストレスなどでからだの抵抗力が低下すると、扁桃内にいた細菌が活動し始めて感染が起こります。特に口蓋扁桃の炎症、腫脹が著しく、陰窩に白斑または膿栓がみられ、発熱などの全身症状をみる場合を急性扁桃炎といいます。急性扁桃炎は咽頭の乾燥感、異物感で始まり、しだいに咽頭痛、灼熱感、嚥下痛(物を飲み込むときの痛み)を感じるようになります。子供がかかりやすい病気で、寒気がして発熱し扁桃は赤く腫れ、物を飲み込むこともできなくなるほどです。発熱は幼少児ほど高く、40℃に及ぶこともあります。扁桃は急性の炎症を繰り返すと、治ったあとでも扁桃の表面粘膜や内部に炎症が残って慢性扁桃炎の状態となり、扁桃炎を繰り返す起こす可能性が大きくなります。一般的には症状は軽微で咽頭異物感や乾燥感、軽い咽頭痛、全身症状としては微熱や全身倦怠が現れることもあります。子供では扁桃が肥大する傾向があります。日常問題とされる扁桃炎は、慢性扁桃炎のことを意味しています。咽頭扁桃が肥大したものはアデノイドと呼ばれて、入学児童の約3割にみられます。肥大した咽頭扁桃が耳管をふさぐことにより難聴や耳鳴りを起こしたり、頭重感が記憶力を減退させるため、子供の学習や発育に影響する病気ともいえます。咽頭扁桃の炎症により鼻炎や咽頭炎を起こしやすくなり、鼻の奥をふさぎます。このため口で呼吸するようになり、いつも口を開けた間の抜けたぼんやりした特異な顔つき、アデノイド顔貌となります。一般に、母親から受けた免疫が存在する生後3カ月頃までは、急性扁桃炎を起こすことはほとんどありません。しかし、その抗体が減少する1〜3歳頃から、外からの刺激にされされる機会が増え、感染を繰り返しながら扁桃の反応がしだいに強くなって肥大(扁桃肥大)し、7〜8歳頃に最大となります。その後、からだの抵抗力が増す10〜12歳になると免疫機能が減退して、しだいに小さく萎縮し、局所免疫反応の場としての仕事を終えます。このように、扁桃は全身の免疫学的防御体制が整う前半期において活躍しているといえます。

扁桃と病巣感染症

病巣感染症とは、「人体のどこかに限局した慢性の炎症巣があり、そこには症状が全くないか、もしあっても非常にわずかな症状を示す程度であるのに、この病巣と直接関係のない遠隔の臓器に、器質的ああるいは機能的疾患を起こす反応」、つまり二次疾患の起こることを意味します。扁桃と病巣感染の関係からみると、慢性扁桃炎が原病巣となり、扁桃炎自体は全く症状がないか、あったとしても軽い咽頭炎、異常感、乾燥感程度なのに、扁桃から遠く離れた心臓、腎臓、関節、皮膚などに、器質的あるいは機能的二次疾患を引き起こすものということができます。扁桃炎によって生じる病巣感染症には下記の表のようなものがあります。

扁桃は、一方で免疫器官として多くの異種抗原に対し能率よく免疫を獲得する上で極めて都合よい働きを持っています。半面、宿主の免疫と細菌間のバランスが崩れると病巣感染症としての感染源ともなりうる二面性を持った臓器であることから、治療上扁桃摘出の適否や時期が重要な問題になります。

扁桃炎によって生ずる病巣感染症

⑴腎疾患

急性・慢性腎炎、lgA腎症、ネフローゼ症候群、特発性腎出血ほか

⑵心疾患

心内膜炎、心筋炎、僧帽弁閉鎖不全症、静脈炎、大動脈弁閉鎖不全症ほか

⑶運動器疾患

急性・慢性リウマチ性関節炎、筋炎、胸肋鎖骨過形成症、アキレス腱炎ほか

⑷皮膚疾患

掌蹠膿疱症、尋常性乾 、多形性滲出性紅斑、結節性紅斑、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、紫斑病、じんま疹ほか

⑸消化器疾患

胃腸炎、胃腸潰瘍、肝炎、虫垂炎ほか

⑹眼科疾患

ベーチェット病、ぶどう膜炎、虹彩炎ほか

扁桃炎の治療

扁桃は、少なくとも10〜12歳頃までは、局所免疫を担当する大切な器官ですので、できるだけ手術による摘出は控えたほうがよいでしょう。そのためにもからだの抵抗力を強化することが大切です。乾布摩擦やうがいなどで、全身の皮膚や粘膜を鍛錬し、風邪をひかないように心がけることが大切です。乾布摩擦による皮膚刺激は、日光浴・光線療法で皮膚に光線を浴びた場合と同様に、副腎を適度に刺激する作用があり、この有益な効果も感染・炎症・ストレスなどに抵抗できる強い体力づくりに寄与しています。ただし、扁桃肥大による呼吸の障害がみられる場合は、手術の適応を考慮する場合があります。

扁桃炎の光線治療

慢性扁桃炎の子供は、からだが冷えやすく、食欲がないため、体重増加が少なく、全般に活気があり、食欲がないため、体重の増加が少なく、全般に活気がありません。これは、発熱にともなう体力の消耗により、からだの抵抗力、つまり熱エネルギーの不足が生じていることを意味していると考えられます。可視総合光線療法は、浸透力に優れた深部温熱作用がからだに不足した熱エネルギーを補給し、冷えたからだを温め、低下した新陳代謝を盛んにします。さらに、光化学作用がビタミンDなど光産物の産生を促し、カルシウム代謝を是正して免疫機能を高めます。これらの総合的な作用によって顔色がよくなり、食欲・便通・睡眠などの全身状態の改善とともにからだの抵抗力が強化され、扁桃を中心とする炎症を早く鎮めて症状を緩解させます。また、治療の継続により体質を改善することは、扁桃炎の再発予防・健康維持の観点からも重要な対策となります。

♢治療用カーボン:3000ー5000番あるいは5002ー5002番を用います。扁桃の化膿が強いときは3001ー4008番、3007ー4001番を用います。

♢光線照射部位:両足裏部⑦5〜10分間、両膝部②5分間(以上集光器使用せず)、左右咽喉部④(2号集光器使用)各5分間照射します。ただし、扁桃の腫れが強く高熱の場合は、⑦10〜30分間、④左右各10分間と照射時間を長めに照射します。なお、扁桃に膿栓がみられるときは、口中部⑧を、2号集光器あるいは3号集光器を使用して、5〜10分間追加照射するとよい場合もあります。

東洋医学記事の目次・記事一覧はこちら

お問い合わせ・ご相談・ご予約は

TEL : 0120-396-491

営業時間(定休日 : 日)
午前診療 08:00~12:00
午後診療 14:00~19:00


長崎で人気評判のワンランク上の鍼灸院
さくら鍼灸整骨院
長崎県長崎市桜馬場1-8-3

関連記事

Twitter でフォロー

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

ニュースレターを購読します

ページ上部へ戻る