胃下垂症・胃アトニー

胃下垂症・胃アトニー

胃下垂症・胃アトニーという病名はよく知られていますが、これらの病気は、決して胃が下垂しているという形だけの問題ではなく、やせ型の体型とその背後にある神経症的な性格という気質、自律神経系の不安定(循環不全)という機能的な特徴が、複雑に相互にからみあって起こってくる全身的な疾患と考えられています。最近では、これらの病気は心身医学の面から、心身症として取り扱うべきものであると理解されてきています。

胃下垂症・胃アトニーの病態と原因

胃下垂症とは、胃が極端に垂れ下がった状態で、なんらかの症状を訴える場合をいいます。胃下垂症は、しばしば胃アトニーをともないます。胃アトニーとは無緊張胃(胃無力症)ともいわれ、胃筋肉の緊張が著しく低下し、胃の動きが弱くなった状態をいいます。しかし、集団検診などで胃下垂や胃アトニーが認められても、自覚症状を全く訴えない症例も少なくありません。胃下垂症は、決して胃のみ下垂しているのではなく、腸や腎臓など腹部の他の臓器の下垂もともなっていることが多く、内臓下垂症の一つの部分症状ともいわれています。

胃下垂症の中には、後天的な原因によって胃が下垂したために症状が現れる例があります。例えば、妊娠・分娩の繰り返しや大量の腹水の排除、巨大な腹腔内腫瘤の手術的除去などのあとにみられるものです。これらは広い腹腔内で支えを失った腹部の臓器が、みずからの重量で急速に下垂するために症状が生じるものです。前述のように、胃下垂症は胃アトニーを合併することが多いのですが、胃アトニーが加わるといろいろな症状が現れやすくなります。胃アトニーは、胃の筋肉の緊張低下と運動機能の低下によるもので、食物の消化力が衰え、健康な胃よりも食物が長く胃に停滞し、症状が現れます。主要な症状は、胃・下腹部の膨満感、胃のもたれや重圧感、げっぷ、胃痛、悪心、嘔吐などで、全身症状としては、便通異常(便秘)、全身倦怠感、無気力、肩こり、めまい、頭痛、頭重感、不眠、動悸、息切れ、背中痛、腰から足にかけての冷えなどがあります。胃下垂症・胃アトニーは、やせ型の体型で無力性体質の人に多くみられます。この体型の人は、胃下垂症になりやすい先天的な準備状態にあるといえます。また、この病気の人には、もともと神経質な人が多いことも特徴です。面接や性格検査などの心身医学的な検査から胃下垂症の起こり方をみると、心理的なストレスや暴飲暴食などで生じた胃腸症状を気にしすぎて不安感を抱き、症状が固定(継続)するという、悪循環によるものが多いようです。mた、胃のレントゲン検査を受けた際に、医師から「胃が下がっている」といわれたために、その後に現れた生理的な腹部の症状も「胃が下がっているせい」と思い込み、その思い込みが治りにくい胃腸症状を生み出しているという例も少なくありません。こういうケースを、医原性疾患と呼んでいます。さらに、胃下垂症とみられる例の中には、仮面うつ病(身体症状が現れてうつ状態が表に出ないうつ病)によるものもあります。

胃下垂症・胃アトニーの治療

胃下垂症は、その起こり方からも明らかなように全身疾患であるといえます。したがって、治療としては、まず症状を和らげて症状のない無力性体質に戻し、さらに、最終的には、神経の細さを改善して体重を増加させる、いわば一種の体質改造にまでもっていかなければなりません。したがって、根気よい治療が必要になります。対人関係など精神的なトラブルによって再発を繰り返すことが多いので、環境の改善に気を配る必要があります。まずは、人づきあいに対する考え方を変えることです。そのためには、気分転換と体力づくりとしての運動・スポーツを積極的に取り入れ、わだかまりを発散させてくれるような趣味を見つけることも大切です。食事は、水分含量の少ないものを少量、何回かに分け、1回の量を減らしてとり、胃の負担(胃のもたれ)を減らし、間食にはカロリーの高い菓子類や牛乳などをとるようにします。

胃下垂症・胃アトニーの光線治療

胃下垂症の原因として、血液循環不全が大きく関与していますので、足腰の冷え、便秘、不眠、頭痛、背中痛、動悸、息切れなどの症状の改善には、可視総合光線療法が最良といえます。

♢治療用カーボン:3000ー5000番、重症例では、1000ー5002番を用います。

♢光線照射部位:両足裏部⑦、両足首部①、両膝部②(以上集光器使用せず)各5〜10分間、後頭部③(1号集光器使用)5分間、前額部(2号集光器使用)5分間。後頭部、前額部にの代わりに左右咽喉部④を2号集光器を使用して各5分間照射してもよいでしょう。また、経過をみて次の⑴⑵の治療を1日おきに交互に行います。

⑴両足裏部⑦、両足首部①、両膝部②(以上集光器使用せず)各5〜10分間、背正中部、肩胛骨間部(以上1号集光器使用)各5〜10分間照射。

⑵両足裏部⑦、両膝部②、腰部⑥(以上集光器使用せず)各5〜10分間、左右下腹部、肩胛骨間部(以上1号集光器使用)各5〜10分間照射。

胃下垂症の治療初期には、腹部や腰部は照射しないようにします。というのは、この病気は血液循環不全のために腹部に血液がうっ滞していることが一因になっているためです。このような状態のときに腹部を照射するとうっ血が強くなって、重症例では、動悸、めまい、頭痛などが強く現れ、治癒を遅らせることになりかねないからです。軽症例では特に支障が出ないことも多いのですが、念のため、腹部照射を行う場合でも治療初期は5分間以内の照射にとどめます。

食後の光線治療

光線治療は普通1日1回行いますが、その時間帯は、特に決められてはいません。しかし、腹部照射は食事直後は避け、少なくとも食後30分から1時間ほどたってから行ってください。胃下垂、胃アトニーの方は食後30分間くらい胃の中の食物が十二指腸のほうへ送り出されやすいように右を下にした姿勢で横になり休むことも、食後の不快感を軽くする効果があります。腹部⑤または左右下腹部へ照射する場合も右側を下にした姿勢で行います。熱いのを我慢せず暖かく気持ちのよい距離に治療器を離して照射します。食事については栄養価の高いもの、消化のよいものなどとよくいわれていますが、神経質になりすぎるよりも、胃に負担のない量を時間をかけ、なんでもよく噛んで食べるようにします。

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