鍼刺激の脳への作用研究最前線

細胞新生

人体では、細胞分裂により細胞が新生されるが、成人の脳細胞は新生されないと長いあいだ考えられていました。

鍼刺激により脳で細胞新生が促進される

脳血管障害の後遺症回復のため、鍼治療が施されることがあります。この治療の研究の過程で、鍼治療は脳細胞新生にも有効であることがわかってきました。自治医科大学大学院医学研究科麻酔科学・集中治療医学講座では麻酔下でのラットで、脳卒中による意識障害や運動機能障害の改善のためによく使われる内関、印堂、三陰交のツボ(経穴)を鍼刺激し、脳細胞の再生について研究しました。

鍼刺激は、1日1回30分間、5日間にわたって行いました。鍼刺激開始直後と10分後、20分後に左右への捻転手技を1秒間に1回の頻度で、1分間行って、比較には30分間麻酔処理だけのラットを用いました。処理終了3日後に脳を取り出し、海馬歯状回という部位を調べました。その結果、鍼刺激したラットでは、麻酔だけのラットに比べ、より多くの細胞新生がみられました。

最近では、おとなになっても脳の海馬歯状回と側脳室という部位では細胞が新生し続けることがわかっています。新生した細胞の一部は神経細胞へと分化していきます。そのしくみを解明することができれば、鍼の臨床応用も期待できます。

鍼による鎮痛は暗示効果と異なるメカニズムで示唆されている

ハーバード大学などの共同研究チームは、脳の活動を脳機能イメージングによって可視化し、鍼による鎮痛と暗示によるプラセボ効果を検証したのです。脳機能イメージングにはのうの局所血流変化を可視化できるfMRIが使われました。

実験は、鍼治療を経験したことがない被験者の右腕に熱刺激で痛みを与え、本物の鍼でツボを刺激するか、偽鍼をツボの上に置きました。被験者には、ツボへの刺激は、経絡が通る部分の痛みを軽減させるという情報を正しい経絡と偽経絡を用いて与えました(暗示)。選んだツボは、右手の大腸経の三間と合谷です。鍼または偽鍼による痛みの自覚的軽減程度と脳機能イメージングの変化を調べました。

実験の結果、暗示を与えたどちらのグループも、痛みの自覚的軽減は同じ程度でした。

しかし、脳機能イメージングでは、本物の鍼で刺激したグループは、脳の痛みを感じる領域での活動が顕著に減少しました。この実験結果は、鍼刺激と暗示とは異なるメカニズムで鎮痛効果が影響を受けることを示唆しています。

豆知識*fMRI(核磁気共鳴断層撮影)のひとつで、脳の血液中の酸素の量を画像でみることができます。酸素量が多い部位は血流が多く、脳が活発に活動していると判断できます。動物にも経絡とツボがあると考えられています。たとえば、乳牛で乳の生産量をあげるツボに鍼や灸を施すことがあります。最近では犬や猫などペットの治療に導入している獣医もいます。

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