鍼治療②鍼の手技

補瀉

東洋医学では、虚しているものがあれば補い、実しているものがあれば瀉します(取り去る)。鍼の操作で補瀉ができます。

鍼を刺されるとひびきを感じる

鍼を刺す角度や深さは、治療の目的に応じて違ってきます。基本は皮膚に垂直に刺します。ツボ(経穴)の下に重要な臓器があるときは45度ほど傾けて刺します。筋肉が薄い部位や刺激を強くしたい時には15度ほどの角度で刺し入れます。高齢者や子どもには浅めに鍼を刺します。太っている人には深め、痩せている人は浅めにします。また、上半身から下半身に向かって刺していくのは一般的です。

正確な位置に鍼が刺されると、独特の感覚をおぼえます。だるい、しびれる、重い、突っ張る、少し痛いなどです。ただし、不愉快な痛さはありません。このような鍼治療独特の感覚を、ひびき(得気)といいます。ひびきは、鍼の刺激で経絡の気が反応しているときにあらわれます。気がよく動いた場合には、鍼を刺した位置と離れたところにひびきを感じることもあります。

施術者は鍼を通じてひびきを感じるが、治療を受ける側も、ひびきの有無や強弱をはっきり伝えるといいです。どんなときにいちばんひびきを感じるかがわかれば、次の施術に生かすことができます。また、施術者が変わってもひびきを手がかりに同様の効果をだすことができます。

虚を補う補の手技、実を取り去る瀉の手技

鍼を刺して、ひびきが確認されたら、治療目的にもとづいて鍼を操作する場合があります。目的は補と瀉に二分されます。証が虚であれば補、実であれば瀉となります。補は、不足している正気を、鍼によって補い充実させることをいいます。瀉は邪気や停滞している気や血を取り去ったり、別の場所に移動させることをいいます。

補瀉の手技には、鍼をあまり動かさない静的な補瀉と、積極的に動かす動的な補瀉があります。動的な補瀉には、鍼を上下に上げ下げする堤挿補瀉と、鍼を回転させる捻転補瀉などがあります。

基本は、補であれば、強くすばやく鍼を刺し、そっと引き抜きます。気が逃げないように鍼を抜いたあとは指で閉じます。鍼は、正中線(からだの左右中心線)に向かうようにまわします。瀉は、鍼を勢いよく抜いて、気や邪気が鍼とともに出ていくようにします。鍼を抜いても閉じません。鍼は正中線から離れるようにまわします。

鍼の手技は、細かく分けると非常に多様です。治療される人が鍼を怖がっている、ひびきを感じにくい、鍼を刺すツボが目のふちなど難しい場所にあるなど、状況に応じて、刺し方を変えていきます。通常は、鍼灸師自身がもっとも得意とする手技を選び、施術をしています。

鍼の補瀉手技

鍼を刺したあと、からだが虚している(不足しているものがある)状態であれば補の手技を、実している(過剰なものがある)状態であれば瀉(取り去る)の手技を行います。静的と動的な手技があります。

静的な補瀉
呼吸 呼気で刺し、吸気で抜く 吸気で刺し、呼気で抜く
迎随 経絡の流れる方向に沿って刺す 経絡の流れる方向に逆らって刺す
開闔 ゆっくり抜いてあとを閉じる すばやく抜いてあとを閉じない
動的な補瀉
堤挿 すばやく強く下げ、ゆっくり弱くあげる ゆっくり弱く下げ、すばやく強く上げる
捻転 親指を前へ出し、正中線方向に向かって回転(90度前後) 親指を後ろに引き、正中線の反対方向に回転(180度)

さまざまな鍼の手技

■弾法

指で鍼の柄を軽くはじいて振動させます。気が満ちるのを促し、鍼の下をしまった状態にします。

■盤法

鍼を刺してから、皮膚と45度の角度に倒し、ゆっくりと鍼先を回転させます。瀉法に多く、回転は3回以内です。

■飛法

鍼をひねると同時に指を鍼から離す、補瀉の手技です。鳥が羽を広げて飛び立つようにみえるので飛法といいます。

豆知識*東洋医学の古典には具体的な鍼の手技が書かれているわけではなく、概念が語られています。古来より多くの鍼医がみずから工夫して手技を確立していきました。そのためさまざまな流派があります。刺激するツボを選ぶことによっても補瀉ができます。『難経』には「虚すれば其の母を補い、実すれば其の子を瀉せ」とあります。これは五臓を五行相生説にあてはめて行う補瀉です。

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