高齢者の肺炎

高齢者の肺炎

厚生省の死因統計(昭和50年以降)によると、脳血管障害、悪性新生物(ガン)、心疾患についで、第4位に肺炎・気管支炎があげられ、85歳以上の高齢者では第3位に肺炎が入っています。抗生物質の普及などにより、肺炎による死亡は激減しているにもかかわらず、高齢者の肺炎による死亡率が高いということは、高齢者にとって、肺炎が依然として重大疾患であることを示しています。高齢者の肺炎の特徴は、症状(寒気、高熱、咳、胸痛)が出にくいことです。したがって、手遅れになって重篤な肺炎になることが少なくありません。

嚥下性肺炎の原因

65歳以上の高齢者に生じる肺炎の約3分の1は、嚥下性肺炎です。嚥下性肺炎は、脳卒中で倒れたときや昏睡状態のとき、また、脳卒中後遺症、慢性関節リウマチ、骨折、痴呆などで寝たきり状態のときに、食物や胃液、唾液、病原菌を含む痰などが誤って気管に入り、それがもとで肺炎を起こすものです。高齢者に嚥下性肺炎が起こりやすい原因として、次のようなことがあげられます。

⑴免疫機能の低下

口腔内の細菌の数を調べた研究では、健康な成人や健康な高齢者と比べ、寝たきりの高齢者ではその数がかなり多いという結果が認められています。これは、日常生活の活動性の低下で、口腔内細菌を誤飲して嚥下性肺炎を起こしやすいことを示しています。さらに、高齢者では、免疫をつかさどる胸腺が萎縮してきますので、免疫担当細胞が減少し、感染に対する抵抗力が低下すると考えられます。

⑵嚥下反射の低下

飲食物が喉に入ると反射的に飲み込もうとする運動が起こります。このとき飲食物が気管に入らないように気管入口の蓋である口頭蓋が上がります。また、飲食物の鼻への逆流を防ぐために鼻咽頭も閉じられます。これによって飲食物は喉から食道を下って胃に流れることができます。この反射を嚥下反射といいます。誤飲を生じないためには、この嚥下反射が正常でなければなりませんが、脳卒中やぼけ症状があると嚥下反射は低下して誤飲を生じやすくなります。また、健康な人でも精神安定剤を投与すると、嚥下反射は低下することが証明され、このことは嚥下反射を正常に保つためには意識状態が重要であることを示しています。

⑶咳反射の低下

気管に飲食物や分泌物、異物が入るとそれを排出するために咳込みます。この気管防御として働く生理的な反応を咳反射といいます。誤飲があっても、咳反射が正常であれば問題はありません。しかし、咳反射は年をとるとともに低下するといわれ、65歳以上の高齢者では、約半数に誤飲が生じていると報告されています。また、意識状態がもうろうとしている人は、咳反射の反応が鈍いといわれています。したがって、ぼけ症状の程度が強い人では咳反射は生じにくく、ぼけ症状の進行とともに誤飲の危険はますます多くなることになります。

⑷気道の粘液線毛機能の低下

気道粘膜には、杯細胞から出る粘液と線毛運動によって異物を排除する防御機能があります。この機能は、年をとるとともに低下することはよく知られていますが、痴呆症状によってさらに低下することは容易に考えられます。

⑸食道運動機能の低下

噴門(胃の入口)括約筋の機能障害による逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアなどにより胸やけの症状が出ますが、このような胃液の食道内逆流を生じる人では、胃液が気管に誤飲されて嚥下性肺炎を起こしやすくなります。

⑹ぼけ症状を生じやすい薬剤

ぼけ状態を防ぐことが誤飲の防止に極めて重要であることは前述しました。高齢者では、生活習慣病(成人病)などで種々の薬剤が投与されることが多く、中には薬剤による脳機能の抑制により眠気やぼけ(痴呆)症状が強くなり、嚥下性肺炎を引き起こすことが多くなります。ぼけ症状を生じやすい薬剤には、トランキライザー、抗不整脈剤、降圧剤、鎮咳剤、抗痙攣剤などがあります。

⑺ぼけ症状を生じやすい病態

脱水症状では、脳循環が低下し、ぼけ症状が出やすくなります。一般的に、高齢者は食欲不振によって脱水症状になりやすいので、嚥下性肺炎を併発する危険も大きいといえます。また、アルコール摂取後の泥酔による誤飲もあり、特に嘔吐をともなうときは十分な注意が必要となります。

種類 起こり方 主な誤飲物 主な症状 一般的な治療
気道閉塞 急速 食物、水、異物、吐物 呼吸困難、低酸素血症、チアノーゼ、咳 気管内吸引、酸素吸入、異物摘出
化学的肺炎 急速 胃液 呼吸困難、低酸素血症、喘鳴、肺水腫、ARDS(成人呼吸促迫症候群) 気管内吸引、酸素吸入、輸液、ステロイド、PEEP(持続的陽圧呼吸)
細菌感染 ゆるやか 口咽頭分泌物(細菌) 咳、痰、発熱、多呼吸 抗生物質、化学療法、酸素吸入

肺炎の予防

東大病院老人科における高齢者の疾患別頻度をみると、65歳以上で最も多いのは呼吸器疾患で、次いで、消化器疾患、神経疾患、循環器疾患、内分泌・代謝疾患、腎臓・泌尿器疾患の順となっています。この中で、年をとる(75歳以上)とともに多くなる疾患は、呼吸器疾患、神経疾患、循環器疾患などで、高齢者では肺の悪い人が多いことがわかります。したがって、高齢者の健康対策としては、肺炎を予防することが重要となります。高齢者の肺炎予防は、第一に寝たきりにならないようにすることです。そのためには、栄養状態をよく保ち、日常生活の活動性を保つことが予防には最も重要と考えられます。第二には、可視総合光線療法によって、肺炎のもとになる風邪にかかりにくいからだの状態を保つことです。可視総合光線療法は、血液循環を良好にして、いつもからだを温かい状態に保ち、免疫機能の強化および心肺機能の改善をすることによって、感染に対する抵抗力を強めていきます。これらの対策は、肺炎を起こしやすい肺気腫や慢性気管支炎などがある場合は、特に重要となります。

肺炎予防の光線治療

可視総合光線療法の全身的作用としては抗病力の強化(食欲、睡眠、便通など)、体温調節作用、心肺機能の改善、感染予防があり、局所的作用として去痰(痰の排出を促す)作用による気管支内の分泌物の排泄促進、抗炎症作用による気管支の炎症の鎮静化、鎮痛作用による胸、背中の痛みの鎮静化、呼吸筋の鎮痙作用による胸郭運動の円滑化などがあげられます。このような全身的および局所的作用により心肺機能が強化され、呼吸器疾患の症状の改善をもたらすと考えられます。

♢治療用カーボン:健康保持や肺炎予防には、3000ー5000番、あるいは5002ー5002番、1000ー5000番を用います。

♢光線照射部位:全身的な治療として、両足裏部⑦、両膝部②(以上集光器使用せず)各5〜10分間、腹部⑤、腰部⑥(以上集光器使用せず)各5分間を行い、次に、嚥下の働きと咽頭部の抵抗力を高めるために左右咽喉部④(2号集光器使用)各5分間の照射を行います。気管支が弱いときは、肩胛骨間部(1号集光器使用)5〜10分間の治療を追加します。すでに脳卒中後遺症や慢性気管支炎、肺気腫など、なんらかの病気で全身的な可視総合光線療法を続けている場合は、その治療を継続すればよいでしょう。可視総合光線療法は全身的な治療であれば、どのような治療でも、感染予防を期待することができます。

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