近頃、常温の水が健康志向の若者に人気と話題になったり、また白湯(さゆ)は健康法として広く認知されてきています。
一般的に冷たい飲み物は体を冷やすと思われているようですが、本当のところどうなのか10年以上自身の体で試した結果を今回お伝えいたします。
結論から先に申し上げると、
常温の水だから体を冷やさないわけではない。
お白湯が体を温めることはない。
冷たい水で体が冷えることもない。
ただし飲むとしたら、冷たい飲み物よりも温かいもののほうが体に優しい。
<本編>私はかつて冷え症を自覚していて、手や足が冷たいのはもちろん、同時に自律神経失調症のような症状に悩まされていました。
どうにかこの冷えを克服したいと思い、冷え対策の本を手に取り真剣に取り組みました。その中にはアーユルヴェーダ(古典インド式)やマクロビオティック(現代和式風)、漢方や薬膳(古典中国式)などがありました。
お白湯に関しては、具体的な方法は割愛しますが、ここでお伝えしたいのは、お白湯をとっても体は温まらない。また冷え性が克服されることもないということです。
お白湯をはじめとするこれらの健康法を忠実に実践するほど、冷えに対処できている気がして、精神的に安心感があります。しかし、実際には冷え性の方はお白湯を飲んでも体は冷たいままです。どんなに手の込んだ良いお白湯でも同じです。
どうして温かい飲み物で体が温まらないかというと、温かい飲み物は飲んだ直後は体に熱のエネルギーを渡るので、神経を通じお白湯に触れる手や口、食道は温かく感じますが、体全体を
温めるほどのエネルギーをお白湯は持っていません。
むしろ、体に水分を足すことになるので、体はより冷えやすくなります。
その仕組みは、体は常時保温するためにエネルギーを消費しており、より多くの水分を体に溜めるとその分エネルギーが必要とし、そのエネルギー不足により冷えてしまうのです。
それでは次に冷たい飲み物を問答形式で見ていきます。
これから表現する言葉によく注目して読んでいただきたいです。
問:冷たい飲み物を飲むと「体が冷えるか(寒気がするか)」。
答:冷たい飲み物だから冷えるということはなく、それはお白湯や常温の水とほぼ変わりない。
問:冷たい飲み物は「体を冷やすか」
答:体全体を冷やすというわけではなく、胃が冷やされて、そこから不調を招くことがある。
問:胃が冷えるとどういう不調を招くのか
答:胃が冷えると、首や腰などが引きつりを起こして痛くなることがある。ほかに、胃が傷んで消化不良を起こすことがある。
ここで注意すべきことは胃が傷む理由が冷たい飲み物ということは少なく、多くが消化の悪い食べ物(葉物野菜、納豆など)が原因ですので、胃が悪くてお悩みの方は先にそれらの食べ物を食べないようにするといいですよ。
冷たい飲み物を飲み続けると、寝違いを起こしたり、腰が痛くなったりします。冷たすぎなければ回避できます。冷たすぎれば、飲んでる最中にしゃっくりが出ることがあります。これは冷たすぎるので、自宅でできる対策は冷蔵庫の温度設定を弱めることです。
胃が冷えたり、もしくは胃が傷むと、げっぷが出にくくなります。たとえば、炭酸飲料を飲んだ時に、直後にはげっぷが出ず、時間が経ってげっぷが出ることがあれば、それは胃が弱っている証拠です。また舌が白くなっていれば、胃が傷んでいる証拠です。鏡で舌を日頃からチェックするのはおすすめの健康法です。
胃を強烈に冷やしてしまうのは、氷の入った飲み物をたくさん飲むこと。ビールなど冷たくて、かつ量をたくさん飲む飲み物、冷蔵庫で冷やされた飲み物を繰り返し飲むこと。アイスを食べて、冷たいのも物を飲むこと等です。肉体労働やスポーツをされる方で、氷の入った飲み物をたくさん飲んで、腰や首を痛めている方はすくなくありません。
体を温めたい場合はどうしたらいいのかは、また記事にしたいと思います。
自身の実体験を持ってここまで解明することができました。私たちは東洋医学のような健康法を忠実に守ることで安心感を覚え、同じ仲間と共鳴する反面、実際に治るかどうかという本質が見えなくなることがあります。冷え性の私たちに必要なのは、実際に体が温まるかどうかではないでしょうか。そこを追求することでぶつかっていた健康の壁を突破することができます。