「睡眠不足ではありませんか?」
「はい、ちゃんと寝ていますよ。」
「何時間くらい寝ていらっしゃいますか?」
「だいたい5,6時間ですね。」
これはよくある患者様とのやりとりです。みなさんはこの会話を聞いて違和感を覚えますか?それとも当たり前に感じられますか?
OECDの発表によると、世界各国の平均睡眠時間は中国が9時間、米国が8.75時間、日本が7.3時間となっています。日本の厚労省の発表によれば、日本では働く世代の約半数が6時間以内の睡眠時間だそうです。東洋医学の古典では、夏で10時間、冬で12時間の睡眠を取るべきで、それを下回っているとそのうち病気をすると説いてあります
睡眠不足が引き起こす体の不調
<肉体の痛みやしびれ>
腰が痛くなる首が痛くなる
肩が痛くなる
腕がしびれる
足がしびれる
かかとが痛くなる
足の裏が痛くなる
骨が鳴る
<自律神経や代謝の問題>
自律神経失調症
手足が冷える
手足が湿る
鼻水が垂れる
アレルギー反応が出やすくなる
まつげが抜ける
眉毛が抜ける
尿が薄くなる
耳鳴りがする
<大きな病気やケガ>
ぎっくり腰を起こす
五十肩になる
脳卒中を起こす
これらの症状が出ていれば、それは睡眠不足のサインですから、よく眠るようにしてください。よく眠るようにしなければ、これらの症状は治りません。治療をしても一時的によくなるだけで再発を繰り返します。それは肺の治療をするのにタバコを辞めなければいつまでも肺は良くならないようなものです。
一日何時間眠ればいいのか。理想は古典の通り10~12時間寝たほうがいいと思います。ある程度の良い健康状態を保つためには最低でも8時間の睡眠は必要です。こういうと、前述の症状がある方たちが口をそろえておっしゃるのが、「8時間も眠れないですよ。」そのお気持ちはよくわかります。ですが、病気を治したいのか、それとも今の生活を変えたくないのか。どちらが大切かお考え下さい。タバコやお酒などは駄目だと言われれば納得されますが、ことさら睡眠のこととなれば、変えるつもりはないという意思を感じさせられる方が多いです。
前述の症状でお悩みの方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。5日間ほど、8時間の睡眠を続けてみてください。それらの症状が不思議と解消しますよ。
次回はどうやったら長く眠れるのか、その方法を実践的にお伝えいたします!