長崎市で本格的な東洋医学の鍼灸治療を受けられる鍼灸整骨院として定評があります。

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㉖3種類の病因

病因 病気の原因を病因という。東洋医学では、病因の正体を探り、排除することで、からだの正気を復活させて、健康体に近づける。

外因の六邪

病気の原因を病因という。からだの外からくる病因である外因、からだの内側から生じ、過度の感情が原因となる内因、外因にも内因にも属さない不内外因の3つに大きく分けられる。外因は外感ともいう。外感では、からだの外側にある邪気がからだの表面にとりつき、病気をおこすと考えられる。邪気とは、風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪の六邪である。風・寒・暑・湿・燥・火は、風・寒さ・夏の暑さ。湿気・乾燥・非常に強い熱という6種類(六気)の気候をさす。六気そのものは自然現象であり、無害である。夏や冬になれば、人間のからだも、暑さや寒さに適応できるように、その都度内因の七情と不内外因からだの内側からおこり、臓腑を傷つける病気もある。そのような病気をおこすものを内傷という。内傷は内因と不内外因に分けられる。内傷の1つは、内因といって、こころの動きである。非常に落ち込んだとき、胃の具合が悪くなる経験をした人も多いだろう。人のこころ、気持ちの変化には喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の七情がある。喜んだり怒ったりするのは当たり前のことで、ふつうは病気にはならない。変化する。ところが、あまりに暑すぎる夏や、寒すぎる冬に遭遇すると、からだは対応できずに病気をおこす。つまり、風・寒・暑・湿・燥・火のうち、どれかが強すぎる、あるいは弱すぎれば、邪気となるのだ。このとき六気は外邪となり、六邪(六淫)とよばれるようになる。悪いものを運んでくる強い風は風邪、寒すぎる冬や冷夏は寒邪、暑すぎれば暑邪、もっと暑ければ火邪、じめじめした環境は湿邪、乾燥しすぎる環境は燥邪となる。

六邪には含まれない外因に疫痛がある。疫痛は感染性と流行性がとても強い。口や鼻から入ってくるもので、ウイルスや細菌などの病原体と考えられる。ただし、感情の動きがとても強く、喜びすぎたり、嘆きすぎると病気になる。また、うつうつとした気分などが長期間にわたっても、病気になる。

もう1つの内傷に不内外因がある。たとえば、働きすぎ、動きすぎ、逆に休みすぎなどが病気の原因(労逸)となることがある。暴飲暴食や偏食のことを飲食失節といい、そのほか、けがも不内外因に含まれる。疹血をはじめ、血や津液が滞ることで病気になることもある。五臓が互いに抑制しあう関係を、五行相克説で説明することができる。肺は粛降(しゆくこう)機能で肝の陽気がのぼるのを抑え、肝は疏泄(そせつ)機能で牌の気が滞らないようにする。

病因の種類と概要

外因からだの外側から邪気が入つてくる。体表面や口・鼻を侵して体内に移動

風邪

風がからだに悪いものを運んでくる。外因ではいちばん多い。症状が移動し、でたりでなかつたりする。風は舞い上がるので、頭部と顔面に症状がでやすい。

寒邪

寒すぎる冬や気温が低い夏。薄着や雨に濡れたり、汗をかいたりして冷えた場合。冬に多い。体内の陽気が衰える。凝集させる作用があるので、気・血津液が滞る。さらに経絡や筋脈が収縮する。

暑邪

夏の強い暑さ。夏の盛りにだけみられる。暑邪は熱なので、上半身に上がりやすい。湿邪とともに侵入することが多い。

湿邪

雨に濡れたり、水中や湿気の多い環境に長く滞在した場合。粘り、停滞する性質があり、病気の治りが遅くなる。気・血・津液の流れが悪くなり、下半身にたまる。

燥邪

乾いた風が強い秋や冬。夏の水不足による極度な乾燥。秋に多い。初秋の燥は夏の熱さがまだ残つているため温燥という。晩秋の燥は冬の寒さがあるため涼燥という。

大邪

暑よりもつと暑い状態。燃えあがる性質があるので上半身に症状がでやすい。津液をもつとも損傷しやすく、からだ中が乾燥する。

疫痛

六邪よりも強力な感染性と流行性がある。急に発症して、症状が重い。疫痛の多くは空気、水、飲食物、汚染物などを通して、人から人へと感染する。おたふくかぜ、コレラなどは疫痛による疾病。

内因からだの内側からおこる病気。先に臓腑が障害をおこす

内因(七情)

喜 気緩む。血の通り道が弛緩するため、心の気が緩む。

怒 怒気上がる。肝の気が激しく上昇。血も逆行する。

憂 憂気消える。肺の気が弱まって停滞する。意気消沈する。

思 気結す。月卑の運化作用がはたらかなくなり、気の動きが滞る。

悲 悲気消える。気が弱まる。

怖 恐気下る。腎の気がとどまれなくなり、下に落ちてしまう。

驚 気乱れる。神が心にやどれをくなり、混乱する。

不内外因外因でも内因でもない病

労逸

労力過度、心労過度、房事過度(過度な性交)、安逸過度(休み過ぎ)

五労

久視(きゅうし) 目を酷使する。血を消耗し、心を傷つける。

久臥(きゅうが) 寝たきり。皮膚と肺を傷つける。

久座(きゅうざ) 座り続ける。肌肉(筋肉の肉の部分)と牌を損傷する。

久行(きゅうこう) 歩き続ける。筋と肝を傷つける。

久立(きゅうりつ) 立ちっばなし。骨と腎を傷つける。

飲食失節

飢餓状態と過食状態、飲食不潔、偏食

外傷

けが

痰飲と廃血

津液の停滞と血の停滞

病因の種類と概要

外因(六邪)

豆知識 牌は運化(うんか)機能で腎の水分があふれないように制御し、腎はうるおす作用で心の火が 

強くならないように抑え、心は温めることで肺の粛降が過剰にならないように抑制する。

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