長崎市で本格的な東洋医学の鍼灸治療を受けられる鍼灸整骨院として定評があります。

WEB予約
LINE予約
診療案内
アクセス
コラム
東洋医学コラム

五臓六腑 腎の巻(後編)

<はじめに>

東洋医学には五臓(五臓六腑)という考え方があり、この五つの臓が体を支配していると捉えます。五つの臓とは、肝、心、脾、肺、腎であり、単なる臓器だけと捉えずに、その支配する筋肉や皮膚、毛、自律神経、ホルモンなどまで幅広く捉えることが大切です。

今日の腎でいえば、普通、腎臓といえば尿を作り出す臓器ですが、腎と呼んで関係のある事柄まで広い視野で捉えていきましょう。

<前回までのあらすじ>
■腎が弱った時の症状

冷え性、老化、不妊、うつ症状、立ちくらみ、健忘症、腰痛、膝痛、自律神経失調症、手汗、脇汗、下半身からの寝汗、むくみ、頻尿、尿もれ、抜け毛、寝るとよだれが垂れる。読書、会議、運転の時に眠たくなる。

■腎に悪いこと

・睡眠不足・コーヒーを飲むこと・水分補給としてお茶ばかり飲むこと

■腎に良いこと

・半身浴などでたっぷり発汗をすること・よく眠ること(7時間以上を続ける)・酵素活性化の食べ物や飲み物をとること(りんごや大根おろし、酵素ドリンクがおすすめ)

<本編>
今の腎の元気の度合いを自分でチェックしてみましょう!

1、まずは慢性的に弱っているかどうかをチェックします。

Q1、手足が湿っていますか?
YES→弱っている
Q2、YESの方は、お腹や腰のあたりの胴体が湿っていますか?
YES→慢性的にひどく弱っています。 Q1はYESでQ2はNO→腎が疲れて体に水が溜まっています。この場合、コーヒーやお茶を飲むことをやめて、睡眠をしっかりすることで腎が元気になります。

2,次に今日の腎の元気の度合いをチェックします。

下腹部(おへその10cm下あたり)が脇腹や胸の温度に比べて冷たくありませんか?温度を測るときには指の背を当てて調べるとわかりやすいです。温覚に鈍い方も少なくないので、よく感覚を研ぎ澄まして触れてみてください。もし冷たければ、現在の腎は元気がなくなっています。この原因は主に睡眠不足なので、たくさん睡眠をとることで改善されます。

この1と2のチェックを日々行いながら、常に胴体、手足がさらっと乾いていて、おへその下が温かい状態を保ってください。私も寝不足の時にはこれらのサインが出るので、その時には先に示した腎に良いこと悪いことをすぐに行って、腎がいい状態になるように努力します。

腎の強さには生まれ持った元気の差が出ます。強い方は寝不足でも、コーヒーをたくさん飲んでも、最初に挙げた腎が弱った時の症状が出ない方が多いです。こういうタイプの方は、小柄で筋肉質な方が多いです。逆に痩せ型だったり、背が高く体がぼてっとしている方には弱い方が多いです。こういう弱いタイプの人は、ちょっとしたことで腎が弱るため、様々な症状が出て悩むことが多いです。強い腎を持って生まれることは弱い人からすると羨ましいことですが、強い方は弱った症状があまり出ないため、酷使し続けて弱い人以上に早く腎を悪くしてしまいます。腎を長持ち、また長生きできるかどうかは、強さではなく、日々の養生にかかっています。

東洋医学では腎は寿命を司る臓器だと言われており、腎の老化は、私たちの見た目や中身にもその通りに現れます。腎が弱ると顔は老け、髪は抜け、筋肉は細り、足腰が弱くなります。成人になったあたりから生活は各人の自由になるので、そのころから腎の弱り、または老化に差が出始めます。長く睡眠をとって、節度のある生活をしている人は老化がゆっくりであるため、年をとっても実年齢よりも若くいられます。一方、一日6時間またはそれ以下の睡眠不足を続けて、眠気をコーヒーで覚ますような生活を送っている方は、実年齢よりも体は老化が進むため、年齢以上に老け顔で、体の機能も人より早く衰えていきます。

腎をよくするカギは睡眠不足を解消できるかにかかっています。

現代社会は超短時間睡眠になる環境です。特に日本人は自ら睡眠時間を削る性分にあるようです。6時間の睡眠時間で十分な睡眠がとれていると思っている人がすごく多いと日々の診療の中で感じます。古典には1日12時間は眠らないと体を壊すとあります。24時間のうち18時間の活動による疲労を、6時間の睡眠でとれるのか。それは極端に言えば1時間働いた後、20分寝たら元通り回復。ということになりますが、そんなことはありえないと思うし、そういうことを続けていると体が痛くなったり、病気になったりするはずです。

やらないといけないことを、ついつい後回し。取り掛かるのは夜になってから。勉強だってそうだった。早く寝ようと思っていてもいつもの生活を変えられない。このコラムを書き始めたのも遅かったから、また夜中になってしまった。このままでは・・・。今すぐ寝ないといけない!

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連記事

PAGE TOP