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長崎市の整骨院のさくら鍼灸整骨院のブログ、コラムのページです。

(68)老人の不眠症

不眠は睡眠障害の一つとして知られています。一般に、睡眠時間が短くなり、しかも熟睡感が得られない場合や、睡眠時間がほぼ正常でも朝の覚醒時に爽快感が得られない場合などをいいます。とりわけ老人には不眠症がつきものと考えられていますので、ここでは老人の睡眠と不眠(睡眠障害)について考えてみます。

睡眠の深さと睡眠パターン

不眠を治療するためには、睡眠についての正しい知識を持つことが大切です。睡眠を測定する方法として、脳波、眼球運動、筋電図を一晩中記録するポリグラフイーが用いられます。睡眠中の脳波パターンから、睡眠段階は5段階に分けられ、これに覚醒期を含めると6段階になります。
①睡眠第1段階(うとうとした入眠の時期)
②睡眠第2段階(軽い睡眠の時期)
③睡眠第3段階(やや深い睡眠の時期)
④睡眠第4段階(深い睡眠の時期)
⑤レム睡眠(睡眠第一段階に似た睡眠で、すばやい眼球運動をともなった特殊な睡眠期)
⑥覚醒期(目覚めているとき)レム睡眠以外の睡眠、つまり第1段階から第4段階まではノンレム睡眠と呼ばれています。レム睡眠は、ノンレム睡眠とは性質が違う特別の睡眠で、いくつかの特徴があります。
①脳波からみた脳の活動レベルは、浅い眠り程度である。
②急速な眼球運動が現れる。
③からだの姿勢を保つ筋肉の緊張がほとんどなくなってしまう。
④眠りについてから、約1時間半の周期で、一夜に4~5回繰り返す。
⑤感覚刺激を与えても目覚めにくい。
⑥脈拍、呼吸など自律神経機能が不規則に変化し、特に、男子では陰茎の勃起が起こる。
⑦この時期に眠っている人を起こすと、大部分の人(約80%)が夢を見ている。健康な人で入眠までの時間は15±5分、一晩の睡眠時間の睡眠段階は、第1段階5~10%、第2段階50~55%、第3・第4段階(徐波睡眠)18~20%、レム睡眠20~25%、覚醒1~2%です。

睡眠と年齢

新生児は、1日中ほとんど眠っています。このように1日に何回も眠るのを多相性睡眠といいます。10歳頃(学童期)には昼寝はなくなり、1日に1回だけまとめて眠るようになります。これを単相性睡眠といいます。老人になると、夜の眠りが浅くなり、中途覚醒が多くなるため、多相性睡眠に逆戻りしたような睡眠パターンになります。

老人の睡眠パターン

老人といっても年齢の幅はかなり大きいですし、健康状態や生活環境もさまざまですから、一概に「老人」を論じることは難しいといえます。ここでは、ある程度老人に共通する睡眠パターンの特徴をとりあげてみることにします。ポリグラフィーによる研究から、一夜の睡眠経過中に現れる各種睡眠段階のうちで、深睡眠期が占める割合は、老人の場合、一般成人と比べると明らかに少なく、睡眠の中断回数は逆に多いことがわかっています。全睡眠時間に対する深睡眠期の割合は、老人の場合5~6%であるのに対し、若者の場合は10~15%、夜間の覚醒回数は、老人が5~10回であるのに対し、若者の場合は2~3回です。このことは、老人の眠りは浅く、目が覚めやすいという一般的な印象と一致しています。これらの変化と比べると、レム睡眠の長さの変化はあまり明確ではありませんが、75歳以上の老人では軽度の減少が認められます。さらに、老人ではレム睡眠期にも睡眠の中断が起こることが観察されています。

老人性不眠

●老人の不眠の原因年をとることと全睡眠時間の関係については、実はよくわかっていません。老人になると必ず眠れないということではありませんが、老人になると不眠を起こしやすい条件が多くなるということはいえます。老人は脳動脈硬化症のような脳の血管障害を起こしやすく、脳血管障害のときには不眠がよく起こります。また、老人にはうつ状態が起こりやすく、これにともなう不眠も少なくありません。老人がかかりやすいからだの病気で、睡眠障害を起こしやすいのは、心臓病による夜間の心臓部の痛み、慢性気管支炎や横隔膜の機能低下による呼吸困難、前立腺肥大による排尿障害と頻尿などがあります。
●老人の睡眠リズムの乱れはっきりした病気にかかっていなくても、老人には、夜よく眠れないという訴えが少なくありません。このような老人の不眠症の原因としては、老人がおかれている社会的な立場と老人の脳の機能の衰えとが考えられます。覚醒状態は、脳の働き、特に視床下部や脳幹部にある中脳網様体の働きによって保たれますが、老人になると脳の働きが衰えますので、昼間に覚醒状態を長時間維持することは難しくなり、居眠りが多くなります。また、睡眠を発生させる機能も衰えるため、夜間の眠りも長く続かず、眠りが分断される傾向が強くなります。このように、老人の眠りのリズムは、成人の単相性睡眠型から、子供のような多相性睡眠型に逆戻りします。老人の睡眠リズムが多相性になるのは、脳の働きの変化だけによるのではなく、社会的条件も大きく影響します。老人になると男性は現役の仕事から退き、女性も家事の責任を子供に譲ってしまうことが多いので、昼間にするべき仕事が少なくなり、どうしても居眠りが多くなります。また、夜になると疲れるため、午後8時か9時には床についてしまうことが多く、そのため、8時間眠ったとしても午前4時には目が覚めてしまいます。朝が早いので、午前9時か10時頃になると眠くなってしまうのです。いずれにしても、老人の場合は、全体として眠りが浅く、中途覚醒が多く、再入眠が困難で、早期覚醒も多いという特徴があります。また、脳動脈硬化症、脳軟化症などを持っている老人の場合は、夜になると脳の活動レベルが低下するために、意識が混濁してきて、昼間よりもかえって不穏な状態になります。ひどいときには幻覚や錯覚をともなう興奮状態、つまり、せん妄状態になることがあります。このような夜間不穏状態、夜間せん妄状態を示す人の場合、夜はよく眠らず、昼間にうとうとと眠るというふうに、昼夜リズムの逆転が起こり、看護をしている家族を困らせることが少なくありません。

不眠症の治療

不眠の場合には、まず、その原因をはっきりさせ対策を立てることが大切です。なにか身体的な病気が原因になって不眠になっているときは、まず、その病気の治療を行うことで不眠は回復に向います。身体的な病気や精神疾患がないのに不眠になる場合がありますが、このような不眠症でも、自分の性格に問題があるのか、体質的なものなのか、または家族や職場の環境に問題があるのか、などを正しく判断します。また、眠りを夜間の現象としてでなく1日を通じての現象としてとらえ、昼間の生活様式の改善や入眠前にコーヒーやお茶などの刺激性の飲物をとらない、軽い運動や入浴により心身をリラックスさせるなどの工夫をすることが大切です。

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