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長崎市の整骨院のさくら鍼灸整骨院のブログ、コラムのページです。

(15)照射量と乳がん死亡率

前項で、ガーランド博士の論文を紹介しましたが、この項では再び、同博士が1990年に発表した論文を紹介します。この論文は、アメリカの87の地域において、9年間の日照量と20年間の乳ガン死亡率の関係について調査、都市化の程度やオゾン層の厚さも考慮に入れて検討したものです。この論文で公表された成績は、可視総合光線療法とも大きな関連があると思われますので、解説を加えて紹介します。

調査の方法と結果

ガーランド博士らは、アメリカにおける年間の平均日照量、乳ガン死亡率、都市化の程度、オゾン層の厚さについて、以下のような方法で調査しました。
[年間の平均日照量について]
1960年から9年間にわたるアメリカの87の地域における年間の平均日照量を、アメリカ海洋大気庁のデータから調査しました。
[乳ガンの死亡率について]
1950年から1968年までの乳ガンの死亡率について、アメリカの国立ガンセンターの統計報告から調査しました。
[都市化の程度について]
国勢調査のデータに基づき、87の地域を都市化の程度によって、次の3つに分類しました。①都市化の程度が高い:32地域②都市化の程度が中程度:26地域③都市化の程度が低い:29地域
[オゾン層の厚さ]
オゾン層の厚さは、航空宇宙局(NASA)の調査したデータを使用しました。
●結果10万人あたりの乳ガン死亡率は、アメリカ全体の平均が27.3、南部・南西部で17~19、ニューヨーク市周辺で33と、地域によって1.8倍の違いがあります。最も高率なのは北部から北東部で、この地域は日照量が少ない地域です。日光照射が少ないこの地域は緯度が高く、最も北に位置し、さらに化石燃料の燃焼による大気汚染がひどいといっていいでしよう。都市化の程度が高い地域における乳ガン死亡率と日照量との関係は、別図に示したとおりです。この図から、日照量(紫外線量)と乳ガン死亡率には逆の相関があることがわかります。つまり、日照量が多い地域ほど乳ガンでの死亡が少なく、日照量が少ない地域ほど乳ガンでの死亡が多くなるという関係が認められました。例えば、図の中から乳ガン死亡率の低い地域を拾ってみると、
・ホノルル:20.5
・フェニックス:21.0
・タンパ:21.0
・フォートワース:21.3
・ラスベガス:21.7
・アルバカーキー:22.3
などで、これらの地域の平均日照量は、445ca1/cm2と、アメリカでも最も日差しが強い地域であることがわかります。一方、乳ガン死亡率が高い地域は、
・ニューヨーク:32.9
・シカゴ:30.8
・クリーブランド:30.7
・ボストン:30.2
などで、日照量はそれぞれ、298、273、335、301ca1/cm2と低いことがわかります。乳ガン死亡率と日照量の関係にオゾン層のデータを加えると、この関係はさらに興味深いものになります。成層圏のオゾン層の厚さと乳ガン死亡率との間にも、強い逆の相関が認められ、オゾン層の厚さが薄くなると、乳ガン死亡のリスクが低下します。つまり、オゾン層が薄くなると地表に到達する紫外線量が増え、これが乳ガン死亡率を低下させると考えられます。(注:この予想はあくまでも推測によるものであり、さらに詳しい調査研究を積み重ねる必要があります。)都市化の程度が高い地域において認められた乳ガン死亡率と日照量の関係は、都市化が中等度の地域でも、同じように認められますが、都市化の程度が低くなるにつれて相関も低くなる傾向がありました。なお、この調査では、日照量と乳ガン死亡率との間に相関が認められましたが、肺ガン、喉頭ガン、気管支ガン、頸部ガン、膵臓ガン、肝臓ガン、脳腫瘍、唾液腺ガン、咽喉ガン、甲状腺ガンなどのガンでは、日光照射量との有意な関係は認められませんでした。

ビタミンDが乳ガンの発生を抑制

上記の調査結果は、前項で紹介した大腸ガンと日照量との関係と符号するもので、日光浴(紫外線浴)によって皮膚で形成されるビタミンDに、乳ガンの発生を抑える働きがあることを示唆しています。ビタミンDは、皮膚で産生される以外に、食事で摂取できますが、アメリカでは、特に成人女性は食事や牛乳(アメリカではビタミンDが添加されている)によるビタミンDの摂取は少なく、血中ビタミンDのほとんどは皮膚で形成されたビタミンDでした。したがって、血中ビタミンD濃度を保つには適度に日光にあたることが重要になるのです。現代の社会においては、文明が進むにつれて、日常生活から太陽の光が奪われていく傾向が強くなっています。また、ビタミンDは年をとるにともなって産生が低下するので、日頃から適度な光線浴(光線療法)を行っておくことは、健康維持だけでなくガンを含めた疾病の予防にもつながるものと考えられます。

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