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長崎市の整骨院のさくら鍼灸整骨院のブログ、コラムのページです。

㉙病因③ 不内外因

◎労倦と安逸

からだを動かしすぎる、考え込みすぎると疲れて労倦になりやすい。一方、休みすぎる安逸もからだによくない。

◎過剰な行動が病気をおこす労逸

外因でも内因でもない病因を不内外因という。たとえば、働き過ぎ、食べ過ぎ、怪我などのことである。からだを動かしすぎても、安静にしすぎても病気につながる。労逸という不内外因である。疲労をあらわす労倦と安静をあらわす安逸の組み合わせの言葉だ。仕事や勉強などで長時間にわたってからだを酷使し、肉体が疲弊するのを労力過度という。長時間、考え込んだり、くよくよと悩み続けて精神的に疲れてしまうのを心労過度という。節制のない性生活を続けることを房事過度という。肉体の疲れも精神の疲れも気を消耗する。適度な食事や休息をとって、減った分の気を補ってやらないと、全身の気が足りなくなって、病気を引き起こす。それらとは反対に、部屋に引きこもってじっとしていたり、寝込んでしまうなど、からだを動かさない時間が長いことを安逸過度という。からだを動かさないと気や血のめぐりが悪くなる。するとからだのあちこちで気や血が停滞して、組織や全身の状態が悪くなる。同じ動きだけを長期にわたって続けていると、特定の組織や臓腑に悪影響を与える。五労といい、長時間にわたって目をつかう久視、横になっている久臥、座っている久座、歩きっぱなしの久行。立ちっぱなしの久立の5つがある。

◎飲食失節・外傷・痰飲と瘀血

飲食の節度が失われることを、飲食失節という。食べる量が少なすぎるか、食べ過ぎることを飢胞失常という。飲食物が少ないと、気・血・津液・精を十分に生成できず、からだのあちこちに異常がでる。一方、暴飲暴食は胃と脾に負担がかかり、弱らせてしまう。飲食不潔は文字通り、不衛生のものを食べることだ。偏食は五臓六腑に負担をかける。たとえば、からだを冷やすものばかり食べるのは、寒邪をからだに取り込むことと同じであるといえる。からだを冷やすものか、温めるもの、どちらかを偏食すると、陰陽のバランスがくずれてしまうのだ。外傷には打撲、捻挫、骨折、切り傷、虫刺され、やけど、凍傷がある。そのほか、津液のめぐりが悪く、停滞して生じた痰飲(水っぽい飲と粘っこい痰)も病気の原因となる。
血のめぐりが悪く、停滞して生じた瘀血も、病気を引き起こす。このように、体内の病理的な産物である痰飲や瘀血も病気をおこす。このように、体内の病理的な産物である、痰飲や悪血も病因に加えられる。

◎不内外因
内因でも外因でもない病気の原因で、労働、休息、飲食にかかわるもの。どれも適度に必要だが、多すぎたり少なすぎると病気になる。

◎労逸

■労力過度

仕事、勉強、遊びなどが過剰
気と血を消耗してしまい、精神もからだも疲れて、やつれてしまう。

■心労過度

考えすぎ、悩みすぎ
心と脾が変調し、心にやどる神が弱る。不眠や動悸、食欲不振、下痢など。

■房事過度

節操のない性生活
腎精を消耗し、腰や膝が弱り、耳鳴り、めまい、遺精、閉経なども。

■安逸過度

休みすぎる
気と血の流れが悪く、脾胃が衰える。無力感、食欲減退、病気になりやすくなる。

◎飲食失節・外傷

■食べない
栄養失調、気と血が不足、正気が不足、抵抗力が減り、さまざまな病気になる。

■食べ過ぎ
脾と胃の負担が増大し、消化しきれないものが停滞する。

■偏食
冷たい物を食べ過ぎると陽気が減少し、下痢をすることも。辛くて熱いものを食べ過ぎると、胃と腸に
熱がこもり、出血することも。

■外傷
打撲、捻挫、骨折、切り傷なども不内外因に含まれる。外傷後は、体内で血が停滞しやすくなる。

■痰飲と瘀血

痰飲や瘀血も病因に含まれる。直接的・間接的に臓腑や組織に作用して、病気をおこす。

◎豆知識

湿に少し粘り気がでてきたのが飲、ねっとりしたのが痰、痰には有形と無形がある。有形の痰は気道から出る、いわゆる痰のことである。

無形の痰は、臓腑や経絡中に停滞しているものをさす。登用医学では原因不明の病気は、無形の痰から生じることが多いと考える。

さくら鍼灸整骨院
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