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長崎市の整骨院のさくら鍼灸整骨院のブログ、コラムのページです。

㊼実際の弁証例①せきがでる

表証:外邪が体表や鼻、口から侵入するときにあらわれる。発熱、鼻水などが急にあらわれ、すぐ裏証にすすむ。かぜの初期症状がほとんど。

昨日から強いせきが治まらない

四診によって得られたデータを使ってどのように証をたてていくのか、実際の症状からいくつか弁証を試してみよう。まず、せきがひどい17歳の女性の例である。昨日から、かなり強いせきがでるようになった。寒けがあり、熱がでて、のどが痛い。汗は出ていない。鼻水は色が薄くさらさらしている。痰は白く、水のようである。ふだんからかぜをひきやすいということはなく、慢性の病気もない。舌をみると、舌本体(舌質)は健康な人と変わらないが、薄い白色の舌苔が一面についていた。脈は、浮緊(軽く触れただけでとれる張りつめた脈)だった。これらの情報から八綱弁証をしてみる。最初は、病気の原因がからだの表側にあるか、内側にあるかを確認する表裏弁証を行う。寒けがする、発熱がある、慢性の病気はない、浮脈がみられることから、病邪がからだの内部に侵入していない、表証と考えられる。2番目は虚実弁証である。もし虚証であれば、正気が足りないために、汗腺が開きっぱなしになってしまい、非常に汗をかきやすくなっているはずだ。また、すきま風などちょっとした冷気にあたっても不快感をおぼえるはずだ。しかし、これらの症状はないため、虚証が否定され、実証と考えられる。すなわち、これは外邪によるものである。3番目に寒熱弁証を行う。鼻水や痰に粘りがなく、舌苔が自色、脈も速くなっておらず、からだが冷えており、寒証と判断できる。すべてを合わせると、この女性の証は、表実寒証といえる。

体表面にいる寒邪が肺に影響をおよばしはじめた

次に、病気が存在する部分(病位)はどこかを考えてみる。症状の原因である寒邪は、からだの表面にある。しかし、強いせき、鼻水や痰は、肺に病変があるときの症状であり、すでに寒邪が肺をおかしはじめたと考えられる。そのため、肺が気を送る機能がうまくいかなくなり、強いせきがでてしまう。また、津液をめぐらす機能も落ちているので、津液が集まって痰となっている。肺とかかわりが深い鼻とのどにも影響がでている。呼吸器系の症状では、痰が出ているかどうか、出ているとしたら色、量、粘りけを確認することが判断の鍵となる。この女性には三栃蕩香上緩獣が処方され、2日で回復した。鍼灸では合谷、列欠、大椎、肺金などのツボを使うとよい。

豆知識

弁証にもいろいろあり、四診で得られる情報は非常に多彩であるため、どのように証を決めていけばいいか、混乱することもある。基本は八綱弁証で、病気の大まかな様子を把握する。

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