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<雑誌掲載>連載コラムVol.42 血流と乾燥の関係性

水分が足りないんじゃない!血液が巡っていないんだ!

突然ですが、便秘と聞いて乾燥を想像されますか?

便秘の原因は何かと考えて、水分が足りないからだろうということで、水をたくさん飲むようにするとういのは、よく耳にする対策法ですね。
試してみてどうでしたか?水の摂取量で実際に便の硬さや出やすさは変わったでしょうか?

実は水が足りなくて便が出ないわけではありません。

また発行食費インが足りなくて便が出ないわけでもありません。

一番の原因は、腸の内側が乾いて便が出ないのです。そうです、まるで口が乾くように、腸の粘膜が乾いてるのです。

私たちの体は確かに水分をたくさん含んでいますが、水がダイレクトに体をめぐっているわけではありません。指を切ったりしても水が出てはきません。出てくるのは血です。水は血液の中で、組織液という形で、全身の末梢(細部)まで巡っているのです。

例えば、どうして口が乾くのか。それは口の中や舌の毛細血管に血液が十分に巡ってこなくなっているからです。決して口呼吸しているからではありません。なので、口にテープを貼っても無駄です。興味深い経験をしたことがあります。寝ると口が乾きますが、寝入りの瞬間に、口の中の上顎の右半分だけが乾いたのです。意識がはっきり戻ると、乾いていた部分は潤って、また眠ろうとすると同じように右半分だけが乾くという経験をしました。口の乾燥は内側で起きているのだと感じされる体験でした。
※起きている間にはおそらく起きている間は、血流が乏しくなりつつも、他に血を巡らせる作用が働いているのだと思います。

毛細血管に血が巡ってこないというイメージは、血が巡っていく血管が絞られているというイメージです。

口につながる血管というのはいくつかありますが、それらが例えば舌につながる血管だけが絞られれば舌だけが乾きますが、それが顎につながる血管になれば口の中が乾くし、歯の根元に血が来なければ、歯も脆くなり、歯槽膿漏にもなるでしょう。唇に来なければ唇は乾燥し、鼻の中や目にもつながる血流が乏しくなれば、鼻の中が乾燥し、目が乾燥するわけです。それらの血管は顔の肌にもつながっており、肌も乾燥します。お肌の乾燥は水分不足ではなく、血液不足というわけです。部屋の空気が乾燥しているからではありません。潤わせるためには化粧品で保湿をしても、内側から血液が満たされないといけないのです。

筋肉に血が巡らないと引きつり(つる、こむら返り、凝り)が起きます。足がつり、噛み締め(歯ぎしり)、肩凝り、頭痛(首の後ろの筋肉の引きつりによる)は、こうやって起きるわけです。

髪や爪はその根元に血流があることで新鮮に保たれますが、血流が乏しくなれば、爪は割れ、髪は艶を失います。

腱やじん帯への血流が乏しくなれば、関節が痛くなります。

骨へ血流が乏しくなれば、骨は痛み、折れやすくなります。

神経への血流が乏しくなれば、神経は痛みや痺れを起こします。

東洋医学と言えば冷えですが、その冷えも血流が来ないから冷えるのです。十部うな血流があれば裸でも寒空の下でも冷えることはないのです。

では、どうして末梢に血が巡らなくなっているのか、それは①肝臓の阻害又は②腎臓の弱りが原因となります。

①肝臓の阻害とは、薬の服用、アルコール摂取、マーガリン等トランス脂肪酸の摂取、揚げ物の常食、防腐剤の摂取などが主な原因となります。肝臓を阻害するようなものはほかにもあるはずですが、多岐にわたるので、みなさんご自身で、ある時、いつもより乾燥を感じたり、足がつったりしたときに、何を摂取してしまったかなと犯人捜しをすると自分特有の肝臓を阻害している原因が見つかります。

腎臓の弱りに関しては、老化現象のようなものです。なので肝臓ほど即効性のある対策はありません。腎臓の弱りは、睡眠不足、腎臓の石灰化による詰まり(コーヒー、お茶の多飲。高タンパク食。等)が原因となります。

治療においては、肝臓や腎臓の血流が良くなるように鍼治療を行い、その血流の乏しさを改善することで、これまで申し上げた様々な症状を改善させます。ですが、根本的に治すためには、肝臓や腎臓に悪いことを辞めない限り、症状を繰り返すので、この血流が悪くなることを理解して実践することが治療よりも大切になります。

まとめると、肝臓が阻害されたり、腎臓が弱ったりすると、体の末梢(細部)に血が巡らなくなる。そうすると、肌や粘膜に乾燥が起き、筋肉は引きつりを起こし、腸では便秘を起こし、体に冷えが起きるのです。

東洋医学(中医)の根本は血流です。血流が無くなるから異変や病気が起きます。全身くまなく末梢まで血流がいきわたっていること、これが健康です。血流をよくすることが健康になるということなのです。

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