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14 東洋医学における五臓六腑②

五臓:生命活動を司る中枢機能

五臓、すなわち心・肺・脾・肝・腎は、生命の維持に不可欠な5つの主要な機能系を指します。それぞれが独自の役割を担いながらも、互いに密接に連携し、調和を保つことで心身の健康を維持しています。

心(しん):神(しん)の君主、血脈の支配者

心は、単に血液を送り出すポンプ機能だけでなく、精神活動の中枢を担う「神志(しんし)」の宿る場所とされます。神志とは、意識、思考、感情、記憶、判断など、人間を人間たらしめる精神活動の総称です。心に異常をきたすと、精神的な不安定さが生じ、不眠や不安、動悸、健忘などの症状が現れると考えられます。

また、心は主血脈として、全身の血脈を統括し、血液の流れを円滑に保つ役割を担います。血液は生命活動の根源であり、栄養分を全身に供給する重要な媒体です。心と血の関係は深く、「心は神を蔵し、神は血に宿る」と表現されるように、心の機能は血の充実に依存します。このため、顔色、舌の色や状態、脈の強弱など、血の状態を観察することで、心の健康状態を推測することができます。

  • 心と五官の関係性: 心の状態は、特に舌に現れます。舌の色や形、苔の状態は、心の熱や血の不足を反映し、診断の手がかりとなります。
  • 心と液の関係性: 心の機能と関連する体液は汗です。過剰な発汗は心の気が不足している状態を示唆し、心の機能に影響を与えると考えられます。

肺(はい):呼吸と気の循環を司る宰相

肺は、呼吸を通じて外部の清気を取り込み、体内の濁気を排出する「主気」の役割を担います。さらに、肺の重要な機能として「宣発(せんぱつ)」と「粛降(しゅくこう)」があります。

  • 宣発: 体内に取り込まれた気を上方や外側へ発散させ、全身に気の巡りを促す機能です。この働きにより、皮膚や体毛に衛気(えき)が供給され、外邪(がいじゃ)から身体を守ります。
  • 粛降: 気を下方へ引き込み、肺の呼吸運動をスムーズにし、体内の不要な水分(津液)を腎や膀胱へ送る機能です。

肺の働きは、呼吸だけでなく、体内の水の流れ(水液代謝)にも深く関わります。肺の宣発・粛降作用が失調すると、呼吸困難や咳、痰の増加に加え、むくみや尿量減少といった水液代謝の異常が現れることがあります。

  • 肺と五官の関係性: 肺の状態は鼻に現れます。鼻づまりや鼻水、くしゃみなどは、肺の機能失調を示唆することがあります。
  • 肺と皮膚・体毛: 肺の宣発機能は、皮膚の開閉(汗腺の調節)や体毛の健康状態に影響します。肺が虚弱になると、風邪を引きやすくなったり、皮膚が乾燥したりすることがあります。

脾(ひ):後天の精を司る運搬役

脾は、西洋医学の脾臓とは異なり、主に消化吸収機能(胃と協調して働く)と、栄養素の運搬を担う機能系です。飲食物から生命活動に必要なエネルギー(気・血)を作り出し、全身に送る「水穀(すいこく)の運化(うんか)」という重要な役割を担います。

  • 昇清(しょうせい): 脾の持つ独特の機能で、消化吸収された清らかな栄養分を心・肺へと送り、さらに全身を巡らせる働きです。また、内臓を本来の位置に持ち上げる役割も担い、脾の機能が低下すると内臓下垂や脱肛などを引き起こすことがあります。
  • 統血: 脾は、血液が血管外に漏れ出さないようにコントロールする機能も持ちます。脾の虚弱は、出血傾向(皮下出血や血尿、血便など)につながることがあります。

脾の健康は、体全体の活力に直結します。食欲不振、消化不良、倦怠感、四肢の重だるさなどは、脾の機能低下のサインと考えられます。

  • 脾と五官の関係性: 脾の状態は**口(くち)唇(くちびる)**に現れます。食欲不振、味覚の変化、唇の色が淡くなるなどは、脾の異常を示唆します。
  • 脾と四肢・肌肉: 脾は四肢や筋肉に栄養を供給し、力を与える役割を担います。脾が弱ると、手足に力が入らなくなったり、筋肉が痩せたりします。

肝(かん):気の流れを調節する将軍

肝は、気の流れを全身にスムーズに行き渡らせる「疏泄(そせつ)」機能を司ります。この機能は、消化吸収、血行、精神活動、生殖など、身体のあらゆる動的なプロセスに関与します。

  • 疏泄(そせつ): 肝の疏泄機能が正常に働くことで、ストレスによる気の停滞が解消され、精神的に安定します。逆に、疏泄機能が失調すると、イライラ、怒りっぽさ、憂鬱などの感情の不調や、月経不順といった症状が現れます。
  • 蔵血(ぞうけつ): 肝は血液を貯蔵し、身体の活動状態に応じて適切な量の血液を供給する「血の銀行」のような役割を担います。活動時は全身に血を送り出し、安静時は血を肝に戻して貯蔵します。この機能により、筋肉や腱、目など、血液を多く必要とする部位に常に十分な血が供給されます。

肝の機能低下は、目の疲れ、筋肉のひきつり、爪の変形など、血が関わる部位に影響を及ぼします。

  • 肝と五官の関係性: 肝の状態は目に現れます。肝血の不足は、目の乾燥や視力低下を引き起こすことがあります。
  • 肝と筋(すじ): 肝は、筋(腱や靭帯)を養います。肝血が不足すると、筋がこわばったり、痙攣したりします。

腎(じん):生命の源、成長・発育・生殖を司る

腎は、生命活動の根源となる精を貯蔵する「蔵精(ぞうせい)」の機能を担います。腎精は、先天的に両親から受け継いだ「先天の精」と、飲食物から作られる「後天の精」に分けられます。この精は、成長、発育、老化、生殖といったライフサイクル全体に関わる重要な物質です。

  • 主水(しゅすい): 腎は、全身の水液代謝を調節する中心的な役割を担います。肺から送られてきた水液を再び利用可能なものと、不要なものに分け、不要な水分を膀胱へ送ります。
  • 納気(のうき): 腎は、肺が吸い込んだ清気を深く吸い込み、体内に定着させる「納気」という働きを持ちます。この機能が失調すると、息切れや呼吸が浅くなるといった症状が現れます。

腎の衰えは、老化現象と密接に関わっています。白髪や脱毛、歯のぐらつき、耳鳴り、骨粗しょう症などは、腎の機能が衰えたことによって生じると考えられています。

  • 腎と五官の関係性: 腎の状態は耳に現れます。加齢による難聴は、腎の衰えと関連があるとされます。
  • 腎と骨・髄: 腎精は、骨や骨髄、さらには脳を生成する源とされます。腎が弱ると、骨がもろくなり、記憶力や思考力が低下することがあります。

六腑:五臓を支える動的なシステム

六腑は、飲食物の消化、吸収、そして不要物の排泄という、五臓の機能をサポートする通路としての役割を担います。五臓が「蔵」(貯蔵・管理)の機能を持つ一方、六腑は「瀉」(排出・通過)の機能を持つとされます。

  • 胆: 肝と密接に関わり、肝の疏泄機能の働きで生み出された胆汁を貯蔵・排泄し、消化を助けます。
  • 胃: 飲食物を一時的に受け入れ、消化の第一段階を担います。
  • 小腸: 飲食物をさらに消化し、清(栄養分)と濁(不要物)に分けます。
  • 大腸: 不要物から水分を再吸収し、便を形成・排泄します。
  • 膀胱: 腎の働きでろ過された尿を貯蔵・排泄します。
  • 三焦: 特定の臓器ではなく、上焦(胸部)、中焦(腹部)、下焦(下腹部)の3つの領域を指す機能的な概念です。気の運行、水液の代謝・排泄の通路としての役割を担います。

統合と調和の思想

東洋医学における五臓六腑の概念は、単なる生理学的な説明を超え、心身一如(しんしんいちにょ)の考え方を体現しています。各臓腑は独立して存在するのではなく、互いに生かし合い、抑制し合いながら、全体の調和を保つことで生命活動を維持しています。このダイナミックな相互作用のバランスが崩れたときに、病気が発生すると考えられます。この理論を学ぶことは、身体のサインを読み解き、日々の養生に活かすための羅針盤となります。例えば、目の疲れを感じたら、肝の養生を心がける。疲れやすいと感じたら、脾の消化機能を労わる。このように、自己の身体を深く理解し、調和を保つことこそが、東洋医学の目指す健康への道なのです。

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