東洋医学の五行説に基づき、五臓(肝・心・脾・肺・腎)を中心として、自然界の要素や人体の組織、病理現象がどのように対応しているかを解説します。
1. 木(もく)の属性:肝
木の属性に所属するのは肝です 。
- 人体の関連: 肝の腑は胆(たん)で 、季節は春 、色は青に対応します 。
- 組織・開口部: 肝は筋を主り 、その状態は爪に現れ 、目に開口します 。分泌液は涙です 。
- 精神・病理: 肝に宿る神は魂 で、感情は怒りに対応します 。肝は風の邪気を嫌い 、変調時の動作は握(握りしめること) 、声は呼(呼ぶ、怒鳴る) 、体臭は臊(あぶらくさい) 、疲労は歩くこと(歩労)で招かれます 。
- 養生: 肝によい味は酸味 、穀物は麦 、果実は李(スモモ) です。
2. 火(か)の属性:心と心包
火の属性に所属するのは心(しん)と心包(しんぽう)です 。
- 人体の関連: 腑は小腸(しょうちょう)と三焦(さんしょう)で 、季節は夏 、色は赤に対応します 。
- 組織・開口部: 心は脈を主り 、その状態は顔面に現れ 、舌に開口します 。分泌液は汗です 。
- 精神・病理: 心に宿る神は神 で、感情は喜びに対応します 。心は熱の邪気を嫌い 、変調時の動作は噫(しゃっくり) 、声は笑(力なく笑う) 、体臭は焦(こげくさい) 、疲労は視ること(視労)で招かれます 。
- 養生: 心によい味は苦味 、穀物は黍 、果実は杏です 。
3. 土(ど)の属性:脾
土の属性に所属するのは脾(ひ)です 。
- 人体の関連: 脾の腑は胃(い)で 、季節は土用 、色は黄に対応します 。
- 組織・開口部: 脾は肌肉(きにく)を主り 、その状態は唇に現れ 、口に開口します 。分泌液は涎(よだれ)です 。
- 精神・病理: 脾に宿る神は意 で、感情は思(思い悩むこと)に対応します 。脾は湿の邪気を嫌い 、変調時の動作は呑(つばを飲み込むこと) 、声は歌(小声で歌う) 、体臭は香(かんばしい) 、疲労は座ること(座労)で招かれます 。
- 養生: 脾によい味は甘味 、穀物は粟、稲、豆 、果実は棗(ナツメ)です 。
4. 金(ごん)の属性:肺
金の属性に所属するのは肺(はい)です 。
- 人体の関連: 肺の腑は大腸(だいちょう)で 、季節は秋 、色は白に対応します 。
- 組織・開口部: 肺は皮(皮膚)を主り 、その状態は体毛に現れ 、鼻に開口します 。分泌液は涕(てい:鼻水)です 。
- 精神・病理: 肺に宿る神は魄 で、感情は憂(憂うこと)に対応します 。肺は燥の邪気を嫌い 、変調時の動作は咳(せき) 、声は泣 、体臭は腥(なまぐさい) 、疲労は臥すこと(臥労)で招かれます 。
- 養生: 肺によい味は辛味 、穀物は粟、稲、豆 、果実は桃です 。
5. 水(すい)の属性:腎
水の属性に所属するのは腎(じん)です 。
- 人体の関連: 腎の腑は膀胱(ぼうこう)で 、季節は冬 、色は黒に対応します 。
- 組織・開口部: 腎は骨を主り 、その状態は髪に現れ 、耳に開口します 。分泌液は唾(つば)です 。
- 精神・病理: 腎に宿る神は志 で、感情は恐や慄(おびえること)に対応します 。腎は寒の邪気を嫌い 、変調時の動作は欠(あくび) 、声は呻(うなる) 、体臭は腐(くさい) 、疲労は立つこと(立労)で招かれます 。
- 養生: 腎によい味は鹹(しおからい)味 、穀物は豆 、果実は栗です 。
この五行相関図は、特定の臓腑の変調や、それに対応する養生法を考える際の基礎知識となります。





















