奇穴:奇穴は位置が決まっていて、印堂や太陽といったツボ名もついている。阿是穴は位置が固定しておらず名前もついていない。
整形外科的な疾患の治療に使うツボ
鍼灸は臓腑の変調の治療にだけ使われるものではない。むしろ日本では、肩こりや膝の痛みなど、筋肉や関節のトラブルで鍼灸治療を受けることのほうが多いだろう。東洋医学では、全身の筋肉は、十二経脈と強くかかわっているとされる。筋肉を十二経脈の分布にもとづいて分けたものを十二経筋という。十二経筋のトラブルは、筋肉のまひや弛緩、けいれん、痛みなどとなってあらわれる。トラブルがあった経筋とかかわる経脈上にあるツボ(経穴)であれば、どこを押しても治療効果が期待できる。なかでも、手指と手の甲、足指と足の甲にある榮穴と愈穴が高い効果を発揮するとされている。
ツボの名前の由来と奇穴
鍼灸治療によく使われる五念穴には、水の流れをイメージした名前がつけられているツボがある。東洋医学の統一体観にもとづき、人間の体内で気が生まれ流れていくようすを、水の流転にたとえたものだ。井穴の井は気が湧きだすところ、榮穴の榮は気が勢いよく流れはじめるところ、食穴の愈は気がたくわえられるところ、経穴の経は気が順調に流れていくところ、合穴の合は気が合流して体内に入っていくところの意味である。具体的には、たとえば、湧泉(井穴)、前谷(榮穴)、太淵(愈穴)、陽渓(経穴)、少海(合穴)といったものがある。いっぼう、ツボがもつ作用が名前になっているものがある。風邪が入ったときに使うツボには風池や風門、津液を調節するには水溝や水分、気を調節するには気戸や気海、神を調節するには神門や神堂、神道などがある。なお、ツボとは原則的に経絡上にあるものをさすが、実際には経絡上に存在しない奇穴とよばれるツボも多い。奇穴に対し、経絡上のツボは正穴となる。奇穴は特効穴ともいわれ、臓腑と経絡でつながっているわけではないが、さまざまな症状に効果をだしやすい。数は正穴よりも奇穴のほうが多い。また、昔から知られているツボに加えて、新しくみつかるツボもある。WHOが認定した正穴は361だが、東洋医学で実際に治療に使われるツボは1000を超えるという。正穴と奇穴以外に、阿是穴というツボもある。「押すと痛いが気持ちがよい」と感じる反応点である。奇穴や阿是穴への鍼灸で症状が改善されることもあるが、対症療法である。
豆知識
阿是穴の阿是は、中国語の「阿、是」で、「ああ、そこそこ」というような意味である。押されて気持ちがいい場所を「そこだそこだ」と言っていたことに由来する。
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