瘀血:血の流れが悪くなって、停滞したもの。皮膚の色が黒くなる。瘀血がある部分には刺すような痛みがある。月経異常になりやすい。
血を補うには気の存在が不可欠
血が不足している血虚を改善する漢方薬が補血剤である。血虚の場合には、気との関係も考える。血を生成し、正常にからだをめぐらせるには、気の存在が欠かせない。気が充実していれば、血の生成がうまくいく。そのため補血剤には、血を補う作用がある生薬とともに、気を補う作用がある生薬を少量加えることが多い。代表的な補血剤に四物湯がある。補血の効果が高い、当帰、芍薬、熟地黄に加えて、川芎が入っている。川芎は血を動かす作用が強い生薬だ。血は、つくるだけではなく正常に動かさなければならない。補気剤と理気剤の関係と同じで、補血剤が血を滞らせる場合がある。そこで川芎が加わっている。四物湯に人参と黄蓍を加えたものが聖愈湯である。人参と黄蓍にはどちらも気を増やす効果がある。たとえば、出血しやすい人は、血が不足気味になる。しかし、いくら血をつくっても、漏れれば、また足りなくなる。これは、気が不足し、血が脈管から漏れないようにする固摂作用が弱くなっているのが原因と考えられる。このようなときに聖愈湯を使い、気を十分に補って固摂作用を高めて、生成した血が漏れないようにする。
血虚も瘀血も解消する漢方薬、気と血両方を補う漢方薬
四物湯に桃仁と紅花を加えると桃紅四物湯となる。紅花は血行をよくし、桃仁には血液がかたまるのを防ぐ作用がある。桃紅四物湯を処方するのは、血虚で疹血も存在する場合だ。量が少なく流れが細くなっている血流が、ところどころで停滞して疹血になっている。この場合、血を補充しながら、血がかたまらないように調整しなければならない。当帰補血湯という補血剤は、当帰と黄蓍の2つの生薬だけで構成される。配合比は、当帰が1で黄蓍が5。補気効果のある黄蓍を多くし、先に気を十分に補って、増えた気に血を生成させるという考え方だ。一般的に当帰補血湯の処方は、ほかの漢方薬に含まれて使われている。気も血も増やす漢方薬を気血双補剤という。四物湯と四君子湯を合わせて8種類の生薬にしたのが八珍湯。代表的な補血剤と補気剤を合わせた薬で、高い効果が見込まれる気血双補剤である。八珍湯に黄蓍と肉桂を加えて10種類にしたものが十全大補湯。肉桂は温める作用が大きい生薬である。十全大補湯はからだの内部を温めながら、気と血を補っていく漢方薬である。
豆知識
黄蓍の蓍は、日本では耆と書くのが一般的。しかし、くさかんむりがない耆は年をとつていることを示す。生薬として使うのであれば植物の意味の蓍が本来は正しい。
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