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(97)脳卒中後遺症(手足の麻痺)

脳卒中は日本人の三大生活習慣病の一つで、昭和26年から死亡原因の第1位を占め、昭和56年にその座を悪性新生物(ガン)に譲るまで、最もたいへんな病気でした。現在は、死因としての脳卒中は確かに減少していますが、脳卒中自体は減少していないといわれています。それは、脳卒中に占める脳出血の割合は低くなった半面、脳梗塞やくも膜下出血の比率が増加しているためで、これが最近の疾病動向の特徴といえるでしょう。なお、平成7年の死因分類の改正によって、脳卒中は死因順位第2位となっています。したがって、ここで注目しなければならないのは、脳卒中で死亡する人は減っても、片麻痺やその他の障害など後遺症を抱ええている人が多数いるという現実です。

脳卒中の種類

脳卒中は、脳の血管の病気ですが、大きく二つに分類できます。一つは頭蓋内出血で、これには脳実質内の血管が破れて出血する脳出血と脳の周囲にあるくも膜下腔に出血するくも膜下出血があります。もう一つは、脳の血管がつまってその先に血液が流れなくなり、脳組織が腐ってしまう脳梗塞で、これには脳血栓と脳塞栓があります。
(1)脳出血(脳溢血)
脳出血は、高血圧によるものがほとんどです。高血圧が長く続くと、脳血管の動脈硬化が促進され、血管がもろくなり、破れて出血します。脳出血は、昼間の活動時に起こりやすく、突然の頭痛、手足の麻痺、言語障害が起こり、急速に意識障害が進行します。最近の脳卒中に占める脳出血の減少は、最大の危険因子である高血圧の管理(食事の改善、血圧のコントロール)が徹底してきたことが大きいといえます。
(2)くも膜下出血
脳底部動脈の一部がこぶのように膨らんだ動脈瘤が破れたり、脳の動静脈奇形の部分が破れて起こります。比較的若い人に多い病気で、発症すると急に激しい頭痛が起こります。
(3)脳血栓(脳軟化)
脳の動脈が、動脈硬化によって徐々に細くなり、脳動脈に生じた血栓(血のかたまり)が、ついに脳血管の内腔をつまらせて片麻痺や言語障害などが起こる脳梗塞の一つです。発症の多くはゆるやかで、朝起床時に手足が動かないことに気づいたり、食事中に箸がしっかり持てなかったり、茶碗を落としてしまうようなことから始まります。発作を起こす前に前ぶれがみられることがあります。一時的に手足の麻痺やしびれがみられ、この発作を繰り返すことがあります。これを一過性脳虚血発作と呼んでいます。
(4)脳塞栓
心臓や血管(頸動脈、大動脈)にできた血液のかたまり(血栓)、脂肪、腫瘍などの異物が血管を通って脳に運ばれ、脳血管の内腔をつまらせて起こる脳梗塞の一つです。発症は突然ですが、中には短時間のうちに症状が消失することがあります(再開通)。これは血管をふさいでいた血栓がとけてしまうことがあるためです。

脳卒中による症状

脳卒中による症状には、手足の麻痺やしびれ、言語障害(舌のもつれ、失語症)、排便・排尿の障害、痴呆(ぼけ)などいろいろありますが、中でも手足の麻痺(半身不随)が後遺症として、いちばん大きな問題です。片麻痺は、錐体路という神経の通り道が障害されることによって起きます。錐体路は、直立して歩行でき、手足を歩行以外の目的に使うことができるようになった人間において、初めて完成した最も新しい運動系です。この錐体路の発達によって人間はほかの動物ではまねのできないような、細かい手指の動きが可能になりました。ところが、脳卒中は人間における最も発達したこの錐体路を障害する病気です。片麻痺のような場合には、細かな動きをする手(上肢)のほうが、回復が遅れやすいことになります。片麻痺でも、上肢と下肢では、後遺症としての意味合いが違います。上肢は患側(麻痺している側)が全く使えなくても、動くほうの手を使って日常の動作はかなり可能です。しかし、下肢の場合は、動くほうの足だけでは歩行という動作ができず、上肢の場合とは全く違った状況になります。ただし、歩行動作は、麻痺した足が完全に回復しなくても、杖を使ったり装具をつけたりしてある程度は可能になりますので、一般的には足の機能回復は早いといえます。日常生活では、歩行ができるかどうかは、他の疾病の予防や精神的な面からも重要なことです。かつて、脳卒中の治療では、長期間の絶対安静を強いることが主流でした。しかし、長すぎる安静によってもたらされる関節の拘縮、筋肉の萎縮、褥着(床ずれ)、精神障害などの廃用症候群を予防するために、早期のリハビリテーション開始が強調されるようになってきました。リハビリテーションを早くから行うことが麻痺の回復を促進し、その開始が遅れるほど障害が強く残ることになります。実際には、脳卒中の種類や合併症などによって違いがありますが、できるだけ発作後早い時期から行います。リハビリテーションには、当然本人の努力も重要ですが、それにもまして、家族や周辺の人々の理解と協力が必要です。これらの協力がないために潜在的に持っている能力を無為にしている人が少なくありません。家族の協力と励ましが、本当の意味でのリハビリテーションにつながります。

さくら鍼灸整骨院
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