⑧血(けつ)と津液(しんえき)について ◎血の推動と蔵血肝が血を貯蔵し、必要な部位に必要なだけの血量を配分することを蔵血(ぞうけつ)という。実際に血を動かすのは心の推動である。 ◎心は血を推動し、肝は蔵血する。 血は気によって、気化、推動、固摂の3つの作用を受けている。気は、水穀の精微を材料にして血を生成(気化)し、体内を押し動かし(推動)、外に漏れ出さないようにする(固摂)。東洋医学では体内の臓腑を五臓六腑に分ける。五臓のうち、心と肝は血のはたらきに強くかかわっている。そのため「心は血をつかさどり、肝は血を蔵す」という。心は血を推動して、体内を循環させるポンプとしての機能がある。心の中の血を心血という。肝には蔵血と呼ばれる機能がある。蔵血には2つの働きがある。1つは血を貯蔵すること。もう1つは血流の量を調節することだ。からだのいろいろな部位は、運動量に応じた分の栄養を必要としていている。栄養は血によって供給される。どの部位がどのくらいの栄養を必要としているかを判断して、的確に血をめぐらせる。これが肝の血流量の調節機能である。蔵血できないと、血が溢れて出血してしまう。また、蔵血が足りない、つまり、血が不足すると、からだの様々な場所が栄養不足に陥る。肝の中の血を肝血という。肝血の不足は、部位によって様々な症状があらわれるが、いくつか例をあげておこう。たとえば、肝は目と直結しているので、肝血が不足すると、視力が低下し、目がかすんだり疲れやすくなる。靭帯や腱、筋膜も肝と強く関わっている。スポーツの前にストレッチングをすると、血が行き渡って筋の状態がよくなるという。筋の栄養状態が悪いと、屈伸運動がしにくくなったり、ふるえやしびれがでる。 ◎からだをうるおす津液 食べ物や飲み物は、胃と脾で消化されて吸収される。脾が吸収した水分が津液となって全身を循環する。津液の循環には特に肺のはたらきが大きい。津液は口や鼻、目を潤して体の外に出る。必要となくなった水分は尿や汗となって排泄される。体表面を流れる津液を五液といい、汗、涙、鼻水、よだれ、つばをさす。また、津液は津と液に分けられる。さらさらした水が津、ねっとりした水が液である。液は関節や頭部の髄にたまって、関節や脳のはたらきを助けている。津液は血ほどではないが栄養分も含んでいる。スポーツドリンクは津液に近い状態の水分といえるだろう。 ◎血の作用 肝に貯められ、心によって全身に送られ、栄養分を供給する。 ◎津液の作用 肺から全身に送られて、からだをうるおす。 ◎豆知識 「気は血の師」といって、気は血に対して3つの優位な作用をもつ。3つの作用とは、生血(気は血を生じる)、行血(気は血をめぐらせる)、摂血(気は血を固摂する)である。五液は、汗は心の液、鼻水は肺の液、涙は肝の液、よだれは脾の液、つばは腎の液ととられる。それぞれの五臓で津液から生成されたのち、五臓の竅(きょう)に出て行く。 さくら鍼灸整骨院 長崎電気軌道(路面電車) 新大工駅より徒歩1分 〒850-0015 長崎県長崎市桜馬場1-8-3泉田ビル1F ☎0120-396-491 (午前)8:00~11:30(午後)14:00~19:00 ※土曜日は午前まで ※日曜日・祝日休診 健康保険・労災保険・交通事故による自賠責保険 ◆目次一覧(1~96)を見る◆ 前のページへ<< >>次のページへ Tweet Share +1 Hatena Pocket RSS feedly Pin it ⑦気が不足すると病気になる ⑨精と神