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13 東洋医学における五臓六腑①

物理から機能系へ:東洋医学の独創的な身体観

東洋医学の世界では、人間の身体は単なる物質の集合体ではなく、生命活動を司るエネルギーの流れとして捉えられます。その中心をなすのが「五臓六腑」です。

五臓(心・肺・脾・肝・腎)は、生命の根源である気・血・津液・精といった「生命エネルギー」の生成や貯蔵、そしてその管理を担う「機能系」です。例えば、「心」は単に血液を送り出すポンプ機能を持つ心臓を指すだけでなく、精神活動や意識を司る働きをも含みます。「肝」は、肝臓の解毒作用に加え、気の流れをスムーズにして精神状態を安定させる役割を担い、「脾」は消化吸収だけでなく、水分代謝や血液の統制といった広範な機能を包含します。

一方、六腑(小腸・大腸・胃・胆・膀胱・三焦)は、五臓で生成・貯蔵されたエネルギーを、飲食物の消化・吸収・排泄を通じて全身に「流通・伝達」させる役割を果たします。これらの臓腑は、西洋医学の臓器名と似ていますが、その指し示す内容は全く異なります。東洋医学の「臓腑」は、物理的な器官そのものというよりも、特定の生理的・精神的機能を司るダイナミックな「システム」として理解することが極めて重要です。


密接な「連携」:表裏関係と奇恒の腑

五臓と六腑は、それぞれが独立して機能しているわけではなく、「表裏(ひょうり)」と呼ばれる密接なペアを形成しています。

  • 心と小腸
  • 肺と大腸
  • 脾と胃
  • 肝と胆
  • 腎と膀胱

この表裏関係は、一方に不調が起きると、もう一方にも影響が及ぶという相互作用を示しています。例えば、精神的なストレス(心の問題)が続けば、胃腸の調子が悪くなる(小腸や胃の問題)といった現象は、この表裏関係の考え方で説明できます。また、六腑の一つである「三焦」は、特定の臓器とペアにならず、全身の気・血・津液の巡りを統括する独自の概念です。

さらに、「奇恒(きこう)の腑」と呼ばれる特別なグループがあります。脳、髄、骨、脈、胆、そして女子胞(子宮)の6つです。これらは、六腑のように飲食物を消化・運搬するのではなく、五臓のように生命の根源である「精」を貯蔵する働きを持っています。しかし、その形態は六腑のように管状であるなど、五臓とも六腑とも異なる特殊な位置づけです。特に女子胞(子宮)は、生殖機能や月経を司る女性特有の臓器として、東洋医学における女性医学の発展に不可欠な概念でした。


「外なる現れ」から「内なる調和」を読み解く:臓象学説

東洋医学の診断において、目に見えない五臓六腑の状態を把握するために用いられるのが「臓象学説(ぞうしょうがくせつ)」です。これは、「内部の生命活動(臓)は、身体の外部に徴候(象)として現れる」という哲学に基づいています。

私たちの身体は、内なる生命活動を外部に映し出す鏡のようなものです。例えば、舌の状態、脈の打ち方、顔色、声の質、さらには感情の動きまでもが、五臓六腑の健康状態を示す貴重な手がかりとなります。これを「外候(がいこう)」と呼びます。

「竅(きょう)」と呼ばれる目、耳、鼻、口などの感覚器もまた、各臓腑と深く関連しています。

  • 肝は「目」と関連し、目の疲れやかすみは肝の不調と結びつけられます。
  • 心は「舌」と関連し、舌の色や動きは心の状態を反映します。
  • 腎は「耳」と関連し、聴力の低下や耳鳴りは腎の機能低下と見なされます。

このように、東洋医学の診断では、患者さんの訴えだけでなく、これらの外候を総合的に観察し、分析することで、病気の根本的な原因となっている臓腑のアンバランスを見抜きます。西洋医学が客観的な検査データに重きを置くのに対し、東洋医学が医師の五感による詳細な観察を重視するのは、この臓象学説が根底にあるからなのです。

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