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28 六邪(外因)が人体に及ぼす病理作用

東洋医学において病気の原因を究明する「病因論」は、診断と治療の基礎をなします。その中でも、外部環境の変化に由来する病因は外因(がいん)、または外感(がいかん)と呼ばれ、六邪(ろくじゃ)として体系化されています 。


1. 六邪の定義と一般原則

六邪とは、自然界に存在する風・寒・暑・湿・燥・火という六つの気候変化が、極端に強すぎたり、あるいは適切でない季節に発生したりすることで、人体にとって有害な病原性因子(邪気)へと変化したものです

六邪による病気は、季節、時間、周囲の環境と深くかかわります 。例えば、寒さの厳しい冬には寒邪に、湿地に住んでいれば湿邪に侵されやすくなります

  • 侵入経路: 六邪は主に、口と鼻、そして皮膚を通じて体内に侵入します
  • 複合感染: 複数の邪気が同時に侵入して病気を引き起こすこともあります

2. 個別の六邪の特性と具体的な病理

2.1. 風邪(ふうじゃ):移動と先導の邪

風邪は、舞いあがり、移動する性質を持ちます

  • 症状の特性:
    • 病気は急に発病し、木の葉が舞い散るように症状があちこち移動する特徴があります
    • 性質上、からだの上の部分に症状が出やすく、頭痛、鼻づまり、のどの痛み、発熱、悪寒などを引き起こします
  • 先導作用: 風邪はほかの外邪を先導しながら侵入するため、複数の邪が病気を引き起こす際の引き金になると考えられています 。このことから、「風邪(かぜ)は万病のもと」という言葉は、風邪が他の邪を運んで侵入することや、症状が変化しやすいことを表現しているとされます

2.2. 寒邪(かんじゃ):凝集と抑制の邪

寒邪は、冷たい気候や冷気に当たることで体内に侵入します

  • 症状: 寒けがしたり、手足が冷えたり、下痢をしたりと、かぜのひきはじめによく見られる症状を引き起こします
  • 病理作用:
    • 寒邪は体内の陽気(からだを温める機能:温煦作用)を抑制し、その低下を招きます
    • また、気や血などを凝集させる特性を持つため、気・血の流れが停滞し、詰まったところに痛みをおこします
  • 直中: 寒邪は、臓腑に直接侵入して障害を与えることもあり、例えば脾や胃に侵入すると嘔吐や下痢を引き起こします(これを「臓腑に直中する」といいます)

2.3. 暑邪(しょじゃ):炎熱と津液消耗の邪

暑邪は、真夏の太陽を長時間浴びるなど、極度の熱によって体内に侵入します 。熱中症は暑邪の典型的な例です

  • 症状: 暑邪は熱の性質上、からだの上半身に上がりやすいため、顔が赤くなったり、目が充血するといった顔面に症状が出やすいのが特徴です
  • 病理作用:
    • 汗の穴を開くため汗が出やすくなり、大量に汗をかくことで津液(しんえき:体液)を消耗し、のどが渇く(飲水欲を伴う)状態になります
    • 汗とともに気も漏れてしまうため、息切れ、無気力、からだに力が入らないといった症状が現れ、ひどいときにはけいれんをおこすこともあります

2.4. 湿邪(しつじゃ):重さ、停滞、粘着性の邪

湿邪は、湿気の多い環境(例:秋雨前線の停滞、湿地)で、水分や湿気が体内に溜まることで発生します

  • 症状:
    • 湿邪は水分であり、重く、下に流れる特性があるため、頭や手足が重だるく感じたり、足にむくみがあらわれたりします
    • 関節に入ると気・血の流れを悪くし、関節痛を引き起こします
    • 便が粘ついて出にくくなることもあります
  • 病理作用: 湿邪には粘着質があり、いったん侵入すると、病気がなかなか回復しなくなる(治りにくい)と考えられています

2.5. 燥邪(そうじゃ):乾燥と損傷の邪

燥邪は、秋の乾いた風などが吹きすぎて、ひどく乾燥した空気を吸い込むことで発生します

  • 病理作用: 燥邪は乾燥により津液を消耗し、体内を乾燥させます
  • 症状: 肺は乾燥に弱いため、肺と、水をめぐらせている津液が損傷を受けやすいとされます 。そのため、せきが続く、粘つく痰、ぜんそくなどの呼吸器症状や、肌がかさつくといった皮膚の乾燥症状が現れます

2.6. 火邪(かじゃ):極熱と出血の邪

火邪は、暑邪よりもさらに強く、火事がおきたように燃えあがって熱を発する極度の熱性の邪気です

  • 症状: 高熱を出し、顔や目が赤くなり、けいれんすることもあります
  • 病理作用:
    • 熱が非常に強いため、気と津液を激しく損傷しやすいです
    • 熱が脈絡に入ると動血(どうけつ)といって出血しやすくなる特性があります(例:子どもの高熱時の鼻血)
    • 体内の同じ場所に長期間にわたって火邪が存在すると、筋肉や組織が変性し、腫瘍になりやすいともいわれています

まとめ

六邪の病理作用は、その性質(風の動性、寒の収斂性、湿の重濁性など)を反映して、体内で特有の症状と病態を引き起こします。患者の症状がどの邪気に由来するのかを特定し、その邪気の性質に応じた治療(例:寒邪には温める治療、湿邪には湿を取り除く治療)を行うことが、病気の根本的な解決につながるのです。

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