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可視総合光線療法

(42)水虫

水虫患者は足の表面温度が低い

北海道大学病院皮膚科の佐藤先生らは、各種皮膚疾患の皮膚表面温度を、サーモグラフイを用いて測定した際、足趾(足の指)が低温を示す症例に足白癬(水虫)患者が多いことに注目しました。また、このような水虫患者の足趾表面温度は、白癬菌の培養温度(24~26℃)に一致し、体温より低温域であることから、水虫患者(足白癬患者)男性57名の足趾の表面温度が、水虫でない者(男性54名)に比べて低温を示すかどうかを、24~26℃の恒温室でサーモグラフイで詳しく測定しました。測定結果は、水虫患者(白癬患者)の足趾表面温度は25℃前後であったのに対し、水虫でない者のそれは30℃前後で5℃の差が認められました。佐藤先生らは、以上の測定結果から、「足白癬患者の足趾の表面温度は、水虫でない者に比べ明らかに低く、夏季に足白癬が悪化する要因の一つに足趾の表面温度が影響している可能性が考えられる」と述べています。この研究で特に興味深いのは、足白癬患者の足趾の皮膚表面温度は約25℃と、白癬菌の培養条件である温度(24~26℃)にほぼ一致したことです。今回のように、環境温度が夏季室温に近い24~26℃のとき、足白癬患者では、環境温度の範囲内の25℃を示しました。このことは、水虫でない者では、体温より4~6℃低い値を示すだけですが、足白癬患者では、足趾の温度が環境温度に近い値をとりやすいこと、つまり環境温度に左右されやすいことを意味しています。冬季でも自癬菌は寄生していますので、足白癬が夏季に目立って多いのは、菌に感染しているかどうかよりも発症しやすい環境要因が整いやすいためだと考えられています。測定結果は、その要因として発汗(水分)のほかに、この皮膚表面温度が加わる可能性を示しているといってよいでしょう。当診療所でも光線治療の前に、足などからだの表面温度を測定しています。水虫患者の治療過程を観察すると、治療前は室温と同じ程度に低かった足の表面温度が、光線治療継続によって室温より5~7℃高くなるとともに水虫がよくなってきます。当診療所で測定した水虫患者の足の表面温度は、前記した研究と同様の結果であり、光線照射によって環境温度に左右されずに足の表面温度をいつも温かい状態に保つことが、白癬菌の繁殖を抑えて足にとってよい環境づくりにつながることになります。足の皮膚表面温度を低下させる原因疾患としては、四肢の循環障害を生じる高血圧症、糖尿病、膠原病などがあげられます。これらの疾患は、四肢末梢温が低くなりやすいといわれています。しかし、足の皮膚表面温度が低下することが多いのは、交感神経の過緊張による場合ではないかと思われます。交感神経系の過緊張は、末梢血液循環を悪化させ、発汗を亢進させるとともに四肢冷感(冷え)を強くします。この発汗と冷えによる皮膚温低下が水虫を悪化させる大きな要因になります。交感神経過緊張症と水虫については、前慈恵医大麻酔科の若杉教授によると、多汗症や腰痛の患者に星状神経節ブロック(心臓や肺、上肢などを支配する交感神経である星状神経節に麻酔剤を注入し遮断すること)を行うと水虫の症状が自然となくなる例があるそうです。これは交感神経系の緊張を和らげることによって発汗が抑制され、さらに末梢血液循環がよくなって皮膚温上昇により自然治癒力が増したためです。

さくら鍼灸整骨院
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