排尿回数は個人差はありますが、1日5~6回が普通で、水分のとりすぎがなければ、就寝中は1回も排尿しないのが一般的です。年をとると就寝中に1回くらいは排尿ために起きることがあるものですが、中には3~4回も起きる人がいます。このように、昼間は問題がないのに、夜間だけ排尿の回数が多い場合を「夜間頻尿」といいます。夜間頻尿は、特別な病気がなくても、夕食後に水分を多くとるとみられます。また、足腰が冷えたり(冷え性)、寝つきが悪かったり(不眠症)、熟睡できない場合(睡眠障害)などにもみられることがあります。さらに、ストレスなどで緊張が強い場合にも排尿の回数は増加します。薬剤が原因で夜間頻尿がみられる場合もあります。たとえば高血圧症や心臓病では、からだの余分な水分を排泄させるために利尿剤を使うことがありますが、この影響で頻尿になることがあります。夜間頻尿が長期間続く場合は、重大な病気が隠されていることがありますので、注意が必要です。
前立腺肥大症・慢性前立腺炎
夜間頻尿を特徴的な症状とする疾患には、前立腺肥大症や慢性前立腺炎があります。これらは、中年以降の男性によくみられる疾患です。前立腺肥大症では、前立腺の肥大が刺激となって、夜間何度もトイレに起きなければならなくなります。慢性前立腺炎は、前立腺の炎症が刺激となって、夜間頻尿を生じます。これら前立腺の疾患では、排尿回数が多くても、1回の排尿量は少ないのが普通です。回数が多くて排尿量も多い場合は、腎臓病や心臓病がその背景にあることも考えられます。
腎臓機能の低下
尿は腎臓内にある糸球体(毛細血管のかたまり)という組織でつくられます。糸球体の数は両方の腎臓で約200万個あり、腎臓の動脈から入ってきた血液が、糸球体を通過するときに濾過されて尿がつくられます。これを原尿といいます。原尿は1日に150~180ℓつくられますが、尿細管を通過する間に約99%前後が再吸収されるので、1日の尿量としては普通0.6~2.0ℓとなります。再吸収される物質は、水分、食塩、アミノ酸、ブドウ糖などが主で、からだに戻り再び利用されます。腎臓の働きは、年齢とともに低下してきますが、慢性腎炎や腎不全などの疾患でも腎臓機能は低下します。腎臓機能の低下がみられはじめる初期では、尿細管における尿を再吸収する働きが弱まるため、その結果1日の尿量が増加することがあります。健康な人は、就寝中は腎臓の働きが休止するため、尿はあまりつくられません。ところが、腎臓機能の低下した人は、昼間だけでは十分な尿の生産ができず、夜間にも尿をつくり続けるために夜間頻尿となります。
心臓機能の低下
高齢者の夜間頻尿は、腎臓機能の低下のほかに心臓機能の低下による場合があります。これは、腎臓の機能が心臓の機能と密接に関係しているからです。老化、動脈硬化、高血圧などで心臓の働きが悪くなると、腎臓に血液を十分に送ることができず、その結果腎臓の働きも悪くなってしまいます。特に昼間は立っている姿勢や座っている姿勢が多く、また歩いたり、仕事をしたり、からだを動かしているので、腎臓に送られてくる血液はいっそう少なくなって、むくみが出るようになります。ところが、就寝中はからだを横にしているため、腎臓に送られてくる血液が増加することになり、さらにむくみの水分も血管内に戻ってきます。そのため、腎臓の機能が昼間より盛んになって尿量が増加し、夜間頻尿となります。
糖尿病
インスリンが不足して血糖が高くなっている糖尿病では尿量が増加します。また、喉が渇いて水分を多くとるために、尿量はいっそう増加することになります。喉の渇きが強いときは、夜間でも水分を多くとる(夜間飲水)ために、多尿、頻尿となります。
神経因性膀胱
蓄尿と排尿という膀胱機能には、中枢神経系と自律神経系の二つの神経が深く関与しています。これらの神経系の障害によって排尿機能が異常となり、頻尿になったり、逆に排尿困難になったり、失禁の状態になったりします。これを神経因性膀胱といいます。このような異常は、脳血管障害の一つとしてよくみられます。また、子宮ガン、直腸ガンなどの広範囲な手術後や椎間板ヘルニアや腰椎圧迫骨折などでもみられることがあります。
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