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可視総合光線療法

(66)扁桃炎

風邪をひくと扁桃が張れることが多くみられます。そのため、扁桃は風邪の源のように考えられてきましたが、免疫学の進歩により、扁桃が一つ免疫機関であり、生体防御において重要な器官であることがわかってきました。扁桃は、外界と接する生体の最前線に位置し、侵入してくる微生物や抗原物質に対して、生体を防御する役割を果たしています。常に外敵の侵襲を受けているため、炎症を起こしやすい器官です。

扁桃の生体防御機能

扁桃は、一対の口蓋扁桃、咽頭扁桃、一対の耳管扁桃、舌扁桃などによって構成されています。これらは、咽頭腔を輪のように取り囲んでいるので、ヮルダイエル咽頭輪と呼ばれています。中でも口蓋扁桃が最も大きく、また臨床的にも重要なため、一般に扁桃といえば、多くの場合、口蓋扁桃をさします。扁桃の表面、特に口蓋扁桃、咽頭扁桃、舌扁桃には、数多くのヒダがあり、切れ込みがつくられています。口蓋扁桃のひだは陰窩と呼ばれています。この中には普段からいろいろな細菌が棲んでおり、軽い炎症を通じて扁桃内部のリンパ組織との間に免疫作用を営んでいます。ところが、気温の変化、ほこり、ガスなどの刺激があったり、風邪や過労、ストレスなどでからだの抵抗力が低下すると、扁桃内にいた細菌が活動し始めて感染が起こります。特に口蓋扁桃の炎症、腫脹が著しく、陰窩に白斑または膿栓がみられ、発熱などの全身症状をみる場合を急性扁桃炎といいます。急性扁桃炎は咽頭の乾燥感、異物感で始まり、しだいに咽頭痛、灼熱感、嚥下痛(物を飲み込むときの痛み)を感じるようになります。子供がかかりやすい病気で、寒気がして発熱し扁桃は赤く腫れ、物を飲み込むこともできなくなるほどです。発熱は幼小児ほど高く、40℃に及ぶこともあります。扁桃は急性の炎症を繰り返すと、治ったあとでも扁桃の表面粘膜や内部に炎症が残って慢性扁桃炎の状態となり、扁桃炎を繰り返し起こす可能性が大きくなります。一般的には症状は軽微で咽頭異物感や乾燥感、軽い咽頭痛、全身症状としては微熱や全身倦怠が現れることもあります。子供では扁桃が肥大する傾向があります。日常問題とされる扁桃炎は、慢性扁桃炎のことを意味しています。咽頭扁桃が肥大したものはアデノイドと呼ばれて、入学児童の約3割にみられます。肥大した咽頭扁桃が耳管をふさぐことにより難聴や耳鳴りを起こしたり、頭重感が記憶力を減退させるため、子供の学習や発育に影響する病気ともいえます。咽頭扁桃の炎症により鼻炎や咽頭炎を起こしやすくなり、鼻の奥をふさぎます。このため口で呼吸をするようになり、いつも口を開けた間の抜けたぼんやりした特異な顔つき、アデノイド顔貌となります。一般に、母親から受けた免疫が存在する生後3カ月頃までは、急性扁桃炎を起こすことはほとんどありません。しかし、その抗体が減少する1~3歳頃から、外からの刺激にさらされる機会が増え、感染を繰り返しながら扁桃の反応がしだいに強くなって肥大(扁桃肥大)し、7~8歳頃に最大となります。その後、からだの抵抗力が増す10~12歳になると免疫機能が減退して、しだいに小さく委縮し、局所免疫反応の場としての仕事を終えます。このように、扁桃は全身の免疫学的防御体制が整う前半期において活躍しているといえます。

扁桃と病巣感染症

病巣感染症とは、「人体のどこかに限局した慢性の炎症巣があり、そこには症状が全くないか、もしあっても非常にわずかな症状を示す程度であるのに、この病巣と直接関係のない遠隔の臓器に、器質的あるいは機能的疾患を起こす反応、つまり二次疾患が起こることを意味します。扁桃と病巣感染の関係からみると、慢性扁桃炎が原病巣となり、扁桃炎自体は全く症状がないか、あったとしても軽い咽頭痛、異常感、乾燥感程度なのに、扁桃から遠く離れた心臓、腎臓、関節、皮膚などに、器質的あるいは機能的二次疾患を引き起こすものということができます。扁桃は、一方で免疫器官として多くの異種抗原に対し能率よく免疫を獲得する上で極めて都合のよい働きを持っています。半面、宿主の免疫と細菌間のバランスが崩れると病巣感染症としての感染源ともなりうる二面性を持った臓器であることから、治療上扁桃摘出の適否や時期が重要な問題になります。

扁桃炎の治療

扁桃は、少なくとも10~12歳頃までは、局所免疫を担当する大切な器官ですので、できるだけ手術による摘出は控えたほうがよいでしょう。そのためにもからだの抵抗力を強化することが大切です。乾布摩擦やうがいなどで、全身の皮膚や粘膜を鍛練し、風邪をひかないように心がけることが大切です。乾布摩擦による皮膚刺激は、日光浴。光線療法で皮膚に光線を浴びた場合と同様に、副腎を適度に刺激する作用があり、この有益な効果も感染・炎症・ストレスなどに抵抗できる強い体力づくりに寄与しています。ただし、扁桃肥大による呼吸の障害がみられる場合は、手術の適応を考慮する場合があります。

さくら鍼灸整骨院
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