頭痛はだれもが経験する症状です。原因は多種多様で、原因となる病気によって、頭痛の起こり方や持続時間が違い、光線治療の方法も違ってきますので、原因をはっきりさせることが大切です。代表的な頭痛である片頭痛や筋緊張性頭痛の人は、冷え症で血行不良の状態ですから、可視総合光線療法によってからだを温かくして、心身双方の緊張を緩和させることが大切です。
頭痛の分類
●片頭痛型の血管性頭痛
(1)古典型片頭痛
の女性にしばしばみられる頭痛で、家族内に頭痛患者がいるケースが多いようです。頭痛は片側性で、頭痛発作の前兆として、眼前にピカピカ光る点や色彩の現れる閃輝暗点、光や色彩のある図形の出現、視野欠損などがあります。これらは、脳動脈の発作性収縮によるものと考えられ、続いて動脈の拡張による拍動性(脈拍や心臓の鼓動に一致してズキンズキンと脈打つような繰り返しの頭痛が現れます。吐き気、嘔吐をともないます。
(2)普通型片頭痛
20歳代の女性によくみられ、家族に頭痛持ちがいることが多く、片側性の拍動性で、まれに吐き気、嘔吐をともないますが、眼症状などの前兆はありません。
(3)群発頭痛
20~40歳代に発病しやすく男性に多い頭痛で、遺伝的要素はありません。眼、こめかみにかけての灼熱感の後に、頭痛発作が現れます。発作時には涙や鼻みずが出たり、鼻づまり、顔面紅潮などの自律神経症状をともないます。精神的ストレス、過労などによって発症する傾向があります。
4)片麻痺型および眼筋麻痺型片頭痛
片麻痺型片頭痛は、頭痛に先行し異常感覚、脱力、言語障害がみられ、多くは1~24時間以内に消失します。眼筋麻痺型片頭痛は、定型的な片頭痛のあるものに、激しい片側性頭痛と眼筋麻痺をともないます。これは脳血管の攣縮とそれに続く浮腫が原因と考えられます。
(5)顔面下半分性頭痛
眼より下の顔面下部に片側性に起こる疼痛発作で、鼻根部より始まり、煩、耳、頸部にまで広がります。原因は片頭痛に似た血管拡張が考えられます。
●筋収縮性頭痛
頭痛の中で最も頻度が多く、約半数を占めます。成人期を過ぎた神経質な人によくみられます。非拍動性で、1日中続き、後頭部から肩にかけて両側性に痛みがあり、肩こり、首こり、背部痛をともないます。日常生活のストレス、緊張から筋収縮が起こって発症しますが、精神的要因も非常に大きい頭痛です。
●心因性頭痛
頭部全体の頭痛で、表情は抑うつ的です。心理的な原因による頭痛で、心理的メカニズムとしては、ヒステリーによる転換性頭痛(心理的葛藤が存在している状況で頭痛が発生し、それにより葛藤を回避できるというメカニズム)、心気的頭痛、妄想としての頭痛がありますが、いちばん多いのはヒステリー性の頭痛です。
●混合性頭痛
片頭痛型の血管性頭痛と筋収縮性頭痛が合併した頭痛です。若い頃から頭痛がみられ、中年になって種々のストレスが加わり、筋収縮性頭痛を起こすような場合に発症します。
●鼻血管運動性頭痛
鼻閉、鼻漏などをともない、発作的に前頭部に反復する強い頭痛です。鼻腔、副鼻腔粘膜の充血や浮腫に起因するもので、原因はストレスに対する反応とされています。いわゆるアレルギー性鼻炎とは違います。
●非片頭痛型血管性頭痛次のような明らかな原因で頭痛が起きます。
(1)高血圧症の頭痛
頭痛は高血圧症の主要な自覚症状の一つとされてきましたが、実際には高血圧症患者の中には、自覚症状のないものが多く、軽度ないし中等度の高血圧と頭痛とは、関係ないということもいわれています。しかし、最近では、高血圧症は片頭痛、心因性、筋収縮性頭痛をともなうものが多いようです。重症高血圧では、朝覚醒時にしばしば強い後頭部痛がみられます。
(2)発熱による頭痛
高熱のほとんどの場合は、頭痛を感じますが、この頭痛は頭全体に感じ、鈍い、うずくような痛みです。
(3)低酸素血症にともなう頭痛
肺気腫、気管支喘息などの肺疾患により低酸素血症、高炭酸ガス血症が起こると、脳血管が拡張し、激しい頭痛が生じます。
(4)中毒性頭痛
頭痛が重要症状となる中毒は、アルコール、ベンゼン、フェノール、鉛、一酸化炭素、長期間の副腎皮質ホルモン服用の中止後など、非常に多くあります。
●頭蓋内疾患による頭痛
頭蓋内容物の容積の変化により、主に血管が牽引されることによって生じ、牽引性頭痛といいます。
(1)脳腫瘍の頭痛
この頭痛は、最初は起床後午前中にだけみられ、頭を振るとか、咳、いきみ時に起こることもありますが、病変の進行とともに、進行性に増強するのが特徴です。
(2)髄膜炎の頭痛
頭痛は早期よりみられ、非常に強く、割れるような痛みです。
(3)脳血管障害の頭痛
脳出血、脳梗塞で頭痛がみられますが、特にくも膜下出血の頭痛は激痛です。
●頭蓋外の原因による頭痛
眼、耳、鼻、歯によるもの、頸部からのもの、神経痛によるものなどがあります。
(1)眼の異常による頭痛
眼精疲労、緑内障、角膜炎、麦粒腫などがあります。
(2)耳、鼻、咽喉の異常による頭痛
中耳炎、メニユール病、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)、扁桃炎などがあります。
(3)頸椎の異常による頭痛
変形性頸椎症、むちうち症、頸椎の転移性腫瘍などがあります。
(4)歯の異常による頭痛
歯髄炎、三叉神経痛、顎関節症などがあります。
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