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11 津液から知る体の潤いと不調

人体を構成する基本的な要素として「気」「血」「津液」が挙げられます。このうち、津液は人体を潤し、栄養を供給する透明な液体全般を指します。具体的には、血液中の水分、組織液、唾液、涙、汗、尿、鼻水など、あらゆる体液が含まれます。この津液が、何らかの原因で過不足を生じたり、停滞したりすると、様々な不調や病気の原因となります。


1. 津液の不足:体の「乾燥」と「栄養失調」

津液が不足することを、「津液不足」と呼びます。これは、体が潤いを失い、乾燥した状態に陥ることを意味します。この津液不足は、大きく分けて「生成不足」「過剰な消耗」という二つの原因によって引き起こされます。

1-1. 生成不足の原因

津液は、私たちが摂取した飲食物を消化・吸収する過程で生成されます。この生成を担う中心的な臓腑は、です。

  • 不適切な食生活: 栄養が不足したり、偏ったりした食事が続くと、津液の原料が足りなくなり、十分な量が生成されません。
  • 脾胃の機能低下: 消化吸収を司る脾と胃の機能が低下すると、いくら良いものを食べても、それを津液に変えることができなくなります。この機能低下は、過労、ストレス、慢性的な疾患などによって引き起こされます。

1-2. 過剰な消耗の原因

一方、津液は汗、尿、涙、唾液などの形で常に体外へ排泄されています。この排泄が過剰になると、津液不足に陥ります。

  • 多汗: 発熱を伴う疾患や、過度な運動による多量の発汗は、津液を急激に消耗させます。
  • 多尿・下痢: 糖尿病のような病気による多尿や、長引く下痢は、津液を体外に大量に排出するため、不足の原因となります。

◎津液不足の臨床症状◎

津液が不足すると、全身的な潤いが失われます。

  • 粘膜・皮膚の乾燥: 鼻、喉、口、唇の乾燥感は、最も初期に現れる症状の一つです。皮膚のつやや弾力が失われるのも、津液が不足しているサインです。
  • 感覚器の不調: 目のくぼみや、髪のつやがなくなることも、津液不足によって引き起こされます。これは、津液が五官(目、耳、鼻、口、舌)を潤し、正常な機能を維持しているからです。
  • 運動機能の低下: 関節の動きが円滑でなくなるのは、関節液という津液の一種が減少するためです。筋肉や腱への栄養供給も滞るため、体を動かしにくく感じることがあります。
  • 排泄機能の不調: 尿量の減少や便秘は、体内の水分が不足している典型的な兆候です。特に便秘は、腸が潤いを失うことで引き起こされます。
  • 精神・神経症状: 津液は心を養い、精神活動を安定させる役割も担っています。不足すると、心(精神を司る臓腑)が空虚になり、イライラしたり、落ち着きがなくなったりすることがあります。

2. 津液の停滞:体内の「水分過多」と「湿」

津液のもう一つの変調は「停滞」です。これは、津液が体内の特定の場所に滞り、スムーズに循環しない状態を指します。この停滞した津液は「湿(しつ)」と呼ばれ、粘り気のある病理的な水分となります。

2-1. 津液停滞の原因

津液の循環には、肺、脾、腎、三焦などの複数の臓腑が関与しています。

  • 脾の機能低下: 脾は、津液を全身に運び、不要な水分を処理する役割を担います。脾の機能が低下すると、津液が停滞し、「湿」が生じます。
  • 肺の機能低下: 肺は、津液を体の上部に散布し、汗として排泄する役割を担います。肺の機能が低下すると、汗腺が閉じて体内の水分が停滞し、むくみが生じます。
  • 腎の機能低下: 腎は、体内の水分の代謝と排泄を司る重要な臓腑です。腎の機能が不十分な場合、余分な津液が尿として十分に排泄されず、むくみの原因となります。
  • 三焦の機能低下: 三焦は、全身の気の流れと水分の通路を確保する役割を担っています。三焦の機能が滞ると、津液の運行も阻害され、停滞を引き起こします。

2-2. 湿と痰

津液の停滞によって生じる「湿」は、粘り気のある有害な水分です。これがさらに凝集し、より粘稠な状態になったものを「痰(たん)」と呼びます。東洋医学において、「痰」は単なる喉の痰だけでなく、体内のあらゆる場所に停滞して様々な病気を引き起こす病理産物と見なされます。

  • 湿の症状: むくみや下痢は、湿が体内に停滞している典型的な症状です。
  • 痰の症状: 肺や喉に痰がたまると、ひどい咳や呼吸困難を引き起こすことがあります。また、痰は頭部に停滞するとめまい、関節に停滞すると関節痛を引き起こすなど、その病理は多岐にわたります。

3. 現代医学との比較:浮腫(むくみ)

現代医学における「むくみ」は、細胞間の水分(間質液)が異常に増加した状態、すなわち浮腫を指します。これは、心不全、肝硬変、腎不全など、特定の臓器の機能不全によって引き起こされることが多いです。

東洋医学では、同じ「むくみ」という症状であっても、その根本原因を「脾の機能低下」「肺の機能低下」「腎の機能低下」といった、津液を司る特定の臓腑の失調として捉えます。このように、東洋医学は症状の背後にある「体のバランスの乱れ」を重視し、その根本的な原因にアプローチすることで治療を行います。例えば、同じ足のむくみでも、疲労が原因であれば脾を補う治療を、冷えが原因であれば腎を温める治療を行う、といったように、個々の体質や病態に応じた治療法が選択されます。

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