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12 精の役割と腎精不足

精は、東洋医学において気・血・津液と並び、人体にとって極めて重要な要素です。生まれつき備わっている先天の精と、体内で生成される後天の精に分類されます。

精の不足は腎精不足と呼ばれ、精が脾(ひ)で生成され、腎に貯蔵されるため、脾と腎の機能が関与しているとされています。精は、成長、生殖、老化と深く関連していると考えられています。精が不足すると、精を貯蔵する腎の機能も衰えます。腎は、髪、歯、耳、足腰、脳と関連しているため、腎精不足は以下のような症状を引き起こします。

  • 小児: 発育不全や、おねしょ、小児ぜんそくなどが現れることがあります。ただし、成長して後天の精が十分に生成できるようになると、これらの症状は改善することが多いです
  • 成人: 性機能に影響が及び、不妊症につながることがあります
  • 高齢者: 精の不足により、抜け毛、歯のぐらつき、聴力の衰え、膝や腰の弱化、物忘れの増加、さらには認知症に至ることもあるとされています

腎精不足は、腎の固摂(こせつ)機能も低下させます。これにより、精を保持する力が弱まり、夢精や遺精といった症状が現れることがあります。また、大便や尿を保持する機能も低下し、失禁につながる場合があります。妊娠中の女性の場合、子宮をしっかりと保持できなくなり、流産のリスクが高まると言われています。

精が不足する原因としては、食事が不十分であることや脾の機能が弱いことによる精の生成不足が挙げられます。また、慢性的な病気、老化、性行為の不摂生によっても精は大量に消耗されます。なお、精に関する病気は不足する場合のみであり、精が過剰になることによる病気はないとされています。女性の生理的な変化は7年周期、男性は8年周期で起こるとされています。女性は14歳頃に、男性は16歳頃に腎中の精気から天癸(てんき)が生成され、これが生殖機能の成熟を促す物質とされています。女性は49歳頃に閉経し、男性は56歳頃に生殖能力が衰えると言われています。

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