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20 生命の根源「腎精」の衰え

東洋医学におけるは、生命活動の根源生長・発育・生殖を司る最も重要な臓腑の一つとされています。その機能は、人体のを貯蔵する蔵精、水分の代謝を調整する主水、呼吸を安定させる納気の三つが中心です 。これらの機能の変調は、老化現象、水分代謝異常、呼吸困難、さらには恐怖の感情とも深く結びついています 。


1. 蔵精機能の失調:腎精の不足と老化現象

蔵精とは、腎が生命力の源であるを貯蔵する機能です 。腎の変調により蔵精機能が失調すると、腎精(腎の精)が不足する状態(腎精不足)に陥ります

腎精不足がもたらす影響

腎精の減少は老化現象として現れ、急速に減ると老化も早く進むと考えられています

  • 成長・発育: 子どもでは成長の遅れとして現れます
  • 生殖機能: 成人では性機能の減退が見られます
  • 全身の衰え: 物忘れが増え足腰がだるくなり、ころびやすくなるとされます 。全身に力が入らなくなることが多いのは、命のスタミナとされる腎精が足りなくなるためです

髄との深い関係

には(骨髄と脊髄)を生じる作用があるため、腎精が足りないと髄が減少し、身体の土台に影響が出ます 。

  • 骨と歯: 髄は骨に入り栄養を与えているため、腎精不足は骨をもろくし、骨粗鬆症の原因とも考えられます 。歯も腎精から栄養を受けているため、歯が抜けるのも腎精不足が原因とされます
  • 脳と認知機能: 脊椎の中の髄は脳につながり、脳は髄が集まった部分(髄海)であるため 、髄が減ると脳の働きが衰え、認知症物忘れがおこるといわれます

2. 主水機能の失調:水分の代謝異常と排尿障害

主水は、全身の水分の代謝を調節する機能です 。腎は全身から集まった水分を、必要なものと不要なものに分別し、不要な水分は膀胱に回して排泄させます

  • むくみ: 主水が正常に機能しないと、排泄されるべき水分が体内で停滞し、むくみとなることが多いです
  • 排尿の異常: 腎は膀胱が尿を出すタイミングを決めているとされるため 、腎が変調すると膀胱の働きが乱れ、尿が出なくなったり 、逆に頻尿失禁したりします 。腎が弱ると、大小便を失禁するようにまでなるともいわれます

3. 納気機能の失調:呼吸の乱れ

納気は、肺が大気から吸い込んだ清気を、腎にしっかりおさめる(深く取り込む)機能です

  • 呼吸困難: 納気できなくなると、肺が吸入した気が腎に下がらず、肺への気の出入りに支障が出ます 。その結果、息切れ呼吸困難といった症状が生じます

4. 腎と身体の開竅、情動の関係

腎は、外生殖器肛門などと強くかかわっているとされます

  • 耳の症状: 腎が弱ると、耳鳴り難聴があらわれます
  • 津液(つば): つばは口をうるおし、食べ物を飲み込むのを助け、腎精に栄養を与える大切な津液です 。腎の変調でつばの量が変化することがあります(減少して口が乾く、あるいは多すぎる)

また、腎は恐怖の感情と深く関わるとされ、強い恐怖を感じると腎を痛めます

  • 恐怖と失禁: 「あまりにこわくて尿を漏らす」のは、強い恐怖が腎を弱らせ、排尿をコントロールする機能が失調してしまうためと考えられます
  • 毛髪への影響: 恐怖を感じて白髪になったり、毛が抜けるのも、腎が痛めつけられた結果とされます

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