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東洋医学コラム

63灸治療①もぐさがゆっくり燃える灸

もぐさ:ヨモギを乾燥させて、葉の裏にある白い毛を集めたもの。火をつけても高温にならず、ゆっくりと燃え続ける。

ヨモギから作られるもぐさ

灸はもぐさをツボ(経穴)にのせ火をつけて、熱でツボと経絡を刺激する。もぐさは、ヨモギの葉の裏についている白い毛からできている。ヨモギはキクくさ科の植物で、春の若葉は香りがよく、草餅などにして食べる。生薬としてもさまざまな効能がある。乾燥させたヨモギの葉を細かくだいてふるいにかけると、葉や茎の部分がより分けられ、産毛のような白い毛(毛よい茸)が残る。毛茸を集めて、かためたものがもぐさとなる。細かくしてふるいをかける行程を何度もくり返すことで、毛茸の純度があがり、よいもぐさとなる。純度が高いもぐさは、火をつけても、60°C前後にしか温度があがらず、長い時間、一定の心地よい温度を維持できる。適度な燃焼温度でゆっくりと燃える灸の素材としては、現在でもなお、ヨモギの毛茸が最高なのである。

直接灸と間接灸

灸には、皮膚の上に直接もぐさを置く直接灸と、皮膚ともぐさのあいだに緩衝物を置く間接灸がある。直接灸のなかでも一般的なのは点灸で、米粒半分ぐらいの大きさのもぐさをツボにのせて、線香で火をつける。燃えきったら、その上に次のもぐさを置いて、また火をつける。もぐさが燃え尽きるまでを一壮といい、三~五壮ほどすえる。冷えが強かったり、からだが弱っていると、まったく熱さを感じないことがあり、そのときには感じるまですえ続ける。かぜなどに対して発汗させて治したいときには知熱灸が使われる。小指の頭ぐらいのもぐさを円錐状にかためてツボにのせ火をつける。熱さを感じたらすばやくもぐさを取り去って、ツボに汗をかかせる。間接灸は温灸ともいう。灸をすえるツボの上に、薄く切ったシヨウガやニンニク、ビワの葉などをひく。この上に、多めのもぐさを円錐形にかためてのせて、火をつける。ほどよい温かさになって、じわじわとツボが温まり、冷えの症状が改善される。ショウガやニンニクがもつ薬効成分が皮膚にしみこむ効果も期待できる。和紙や紙筒の上に置くこともある。あらかじめ筒にもぐさがついている商品も販売されており、家庭でも気軽に扱うことができる。灸頭鍼は、鍼の柄の部分にもぐさをのせたもの。使われる鍼は6cm近くと長く、太さもやや太い。皮膚に深く刺して熱を伝え、からだの深い部分を温める。

豆知識

打膿灸(だのうきゆう)は、親指大のもぐさで数壮の灸をすえる。すえたあとに刺激作用が強い膏薬をはり、化膿させて膿をとる。膿んでいるあいだは免疫系が活性化されるといわれる。

さくら鍼灸整骨院
長崎電気軌道(路面電車) 新大工駅より徒歩1分
〒850-0015 長崎県長崎市桜馬場1-8-3泉田ビル1F
☎0120-396-491 
(午前)8:00~11:30(午後)14:00~19:00
※土曜日は午前まで ※日曜日・祝日休診
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