国際的に、更年期とは、「女性の生殖期から生殖不能期への移行期」とされています。年齢的には40~56歳頃、特に42~55歳頃といわれています。更年期は、成人病(生活習慣病)の発生時期と一致するため、種々の症状が起こりますが、更年期に起こる不定愁訴を更年期障害と呼んでいます。不定愁訴とは、「訴えが自覚症状だけであるか、あるいは他覚所見があっても、それと本人の訴える症状とあいだに因果関係を証明することができないようなものをいいます。更年期に多い不定愁訴は、肩こり、腰痛、頭痛、頭重、疲れ、めまい、のぼせ、不眠、動悸、物忘れ、ゆううつ、冷え症など多彩です。
更年期障害の成因
女性の内分泌、自律神経、情動(情緒)の各系は、相互に関連しあいながら、からだの内外の変化に対応し、調和が保たれています。老化による卵巣からの卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌低下、環境の変化、心理的ストレスなどがあると、その調和は乱れ、各系に関係する不定愁訴を自覚するようになります。女性の場合は、幼年期、初潮、思春期、性成熟期、老年期というライフサイクルの変遷が比較的明らかであり、それぞれの時期に応じて前記したような各系の調和が乱れやすく、そのため不定愁訴が起こりやすいといえます。更年期障害は、卵胞ホルモンの分泌が低下していく時期に起こりますが、このホルモンの不足が不定愁訴を生じさせるわけではありません。脳にある内分泌中枢の老化による変化が、同じ部位にある自律神経中枢にも影響を及ぼします。この自律神経系の変調が、更年期の不定愁訴を生じさせることになります。これらの症状は、更年期の女性のほとんどに現れますが、それを異常と感じ重症感を持つかどうかはそれぞれの人の気質や性格に関連しているようです。
更年期障害になりやすい人
更年期障害になる人の体質は、無力性体質であることが非常に多く、胃下垂や内臓下垂、冷え症などがあって、神経質な完璧主義者、内向的孤立型、趣味がない一途型などが多く、自律神経系の働きも不安定になりやすいという特徴がみられます。一方、自律神経系の働きが安定している女性では、更年期の不定愁訴は起こりません。したがって、更年期障害は、更年期の女性のすべてに起こるわけではなく、約半数に認められるにすぎません。
心因性更年期障害
心因的原因が強く働いて起こるものを、心因性更年期障害といいます。更年期になった女性は、性機能を喪失してしまったと感じて、女性としての価値や生きるための心の支えを失い、不安や緊張が絶えず働き、これがからだを緊張させて更年期に不定愁訴を生じさせます。これは、女性の心身症の一つにあげられています。
更年期障害の治療
更年期障害の治療は、その障害の起こり方から明らかなように、自律神経系を安定させることが第一です。このためには、家族の理解と生きがいのある生活を送ることが、更年期を克服するコツといえます。若いうちから心身の安定化を身につけることが望ましく、その上で年齢に見合った、バランスのとれた生活を心がけるべきです。
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